みなさんは尖圭コンジローマという性病のことを知っていますか?
尖圭コンジローマは、特定のパートナーとしかセックスをしていないカップルや夫婦では、知らない人が多いかもしれません。
知っていても、名前を聞いたことがあるくらいじゃないでしょうか。
一般には、梅毒やクラミジアに比べると知名度は下がりますが、多くの人とエッチをしている活発な若い人や、風俗で働く女性やお客さんの間では割りとメジャーな性病なのです。
実際、日本で4番目に多い性病が尖圭コンジローマ。
尖圭コンジローマの原因ウイルスは、子宮頸がんの原因ウイルスと同じヒトパピローマウイルス(HPV)なのですが、ウイルス型が異なっていて子宮頸がんを起こすことはありません。
この記事では、ウイルス型も含めて感染ルートや症状、治療法についてくわしく説明しています。
細かいことはいいから、検査について知りたい方は→尖圭コンジローマの検査方法、治療について知りたい方は→尖圭コンジローマの治療方法へショートカットしてください。
kensa.bizのキットなら低リスク型HPVをHC(ハイブリッド・キャプチャー)法で調べることができます。病院へ行くのが恥ずかしいのなら、まず性病検査キットで確かめてみてはいかがでしょう。
目次
尖圭コンジローマになったらどんな症状がでるの?
尖圭コンジローマはイボのできるのが特徴の性病として知られています。
では、どんなイボがどのような場所にできるのでしょう?
この項目では、女性と男性で病変の出来やすい場所や、他に起こりうる症状などについてくわしく説明しています。
基本はイボができる病気
引用「性感染症STD」南山堂 田中 正利 著
性器や肛門周囲に特徴的な無痛の直径1~4mm、高さ2~15mmの大きさのイボ(疣贅)が発生します。
形状は小さな顆粒が乳頭状や鶏冠状(とさかじょう)に増殖していきます。
このイボは脆く、接触によって出血したり、二次感染を起こすことがあります。
そのため、本来はイボできるだけで痛みもかゆみもない病気なのですが、二次感染で悪臭がしたり、ただれて痛みやかゆみが出ることもあります。
女性のイボができる場所
女性では、小陰唇・大陰唇・会陰部・膣前庭・膣・子宮頸部などにできます。
アナルセックスをしていれば、肛門周囲・肛門内にできることも。
まれに尿道内にできることもあります。
風俗に勤めている女性では口腔内にできることもあります。
男性のイボができる場所
男性では、亀頭・冠状溝(カリの部分)・包皮内・陰嚢などにできます。
男性でもアナルセックスをしていれば、肛門周囲・肛門内にもできます。
まれに尿道内にできることもあります。
まれにHPV6/11型でも腫瘍化
子宮頸がん・陰茎がん・肛門がんの原因となるHPVの16・18型が高リスク型と呼ばれるのに対し、尖圭コンジローマを発症させるウイルスのHPVの6・11型は低リスク型と呼ばれ、腫瘍を発生させるリスクは低いものです。
通常はイボ(乳頭腫)の発生しか起こりませんが、HPV6/11型でもまれに腫瘍を発生させることがあります。また、HPV6/11型の感染に高リスク型HPVの感染を伴っていることもあります。
尖圭コンジローマでも腫瘍化する可能性はゼロではないということを心に留めておきましょう。
※これまで、尖圭コンジローマを起こす低リスク型HPVは腫瘍の原因にならないと考えられていましたが、近年、中咽頭ガンに関連していることがわかってきました。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/hpvdeganninaru/”] 参考:MSDマニュアル尖圭コンジローマの感染経路は?何をしたら伝染るの?
尖圭コンジローマは通常のセックスのほかどのようなルートで感染するのでしょう?
尖圭コンジローマはあらゆる性行為で感染します
尖圭コンジローマは病変部と粘膜が触れ合うことで感染が成立します。なので、膣性交だけではなく、粘膜同士が触れ合うあらゆる性行為で感染する可能性があります。
- 膣性交
- アナルセックス
- オーラルセックス(フェラチオ)
- 性器同士の接触
気をつけてほしいのは挿入をしていなくても尖圭コンジローマが感染すること。「エッチしていないから大丈夫」という考え方は通用しませんので注意しましょう。
コンドームを使用することで感染リスクを防ぐことができますが、ペニスと膣以外にも病変はできますので、ゴムにおおわれていない部分から感染する可能性があります。
尖圭コンジローマの原因となるHPV6/11型は粘膜型HPVと呼ばれ(高リスク型の16/18型も粘膜型HPV)、粘膜や皮膚の重層扁平上皮の一番下にある基底細胞に感染するウイルスです。
上皮の表面に傷がつかないとウイルスは基底細胞に達することができず感染できません。
なので傷つきやすい粘膜部分や激しく触れ合う性器周辺の皮膚に感染するのです。
尖圭コンジローマもピンポン感染しやすい
先述の通り、尖圭コンジローマは感染しても症状を出さない不顕性感染の人が多くいます。
また、女性では膣にだけ病変がでていると、本人もパートナーも気づいていないことがよくあります。
尖圭コンジローマを発病して治療を受けて治癒したとしても、パートナーが不顕性感染や気づいていない病変を持っていると、知らない間に再感染して再発を繰り返すことがあります。
このような感染をピンポン感染といいます。
尖圭コンジローマを治療する時はパートナーも必ず病院で検査を受けて、症状があれば一緒に治療をしていくことが大事です。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/pingpong/”]赤ちゃんが危ない!母子感染の可能性
出産時に尖圭コンジローマを発症していると、赤ちゃんに産道感染するリスクがあります。
妊娠時は免疫が低下するため、不顕性感染だった人でも妊娠を機会に発症してしまうこともあります。
もし、赤ちゃんに感染してしまうと尖圭コンジローマを発症してしまったり、ノドや気管、気管支などに乳頭腫ができる若年性再発性呼吸器乳頭腫症(JORRP)が発症することがあります。
JORRPは子どものしわがれ声の原因の第2位とされていて、治療には手術で乳頭腫を切除する必要があります。しかも、何度、切除しても再発してしまう厄介なもので、時には乳頭腫が気道を詰まらせて死亡の原因にもなります。
産道感染の確率は高くはないですが、膣内に多数の病変がある場合は、母子感染を防ぐために帝王切開が選択されることもあります。
いつ感染した?尖圭コンジローマの潜伏期間は?
もしも性行為を行なって、低リスク型のHPV6/11型に感染した場合には、どのくらいの期間で症状があらわれるのでしょうか?
一般には尖圭コンジローマの潜伏期間は3週間~8ヶ月とされています。
平均すると約3ヶ月ですが、幅が大きいためいつ感染したかを特定できないこともあります。
感染しても発症しない不顕性感染が75%もいるため、潜伏期間を過ぎたからといって安心することはできません。
上で書いたように、妊娠を機会に発症することもありますからね。
心配なら検査を受けて白黒はっきりさせるしかありません。
尖圭コンジローマとはどんな病気なの?どのくらいの感染者がいるの?
尖圭コンジローマとは、ウイルスによって性器やその周辺にイボができる、若い世代の男女に多い性病です。
命にかかわるような病気ではないですが、見た目の問題と無症状が多かったり、治癒しにくく再発しやすい性病なので、やっかいな性病です。
尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス(HPV)によってイボのできる病気
引用「性感染症STD」南山堂 田中 正利 著
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)という種類のウイルスが感染することで起こります。
日本では乳頭腫ウイルスとも呼ばれ、その名の通り乳頭腫と呼ばれるイボ状のできものをつくるウイルスとして知られています。
HPVは遺伝子型によって180種に分類されていて、発見順に番号が付けられています。
尖圭コンジローマを起こすのは主に6型と11型でこの2つで95%ほどを占めます。(他に42、43、44型)
次項に述べる子宮頸がんを起こす遺伝子型のHPVと区別するのに、尖圭コンジローマを発生させる遺伝子型のことを低リスク型、子宮頸がんを起こす遺伝子型のことを高リスク型と呼びます。
子宮頸がんを起こすHPVとは遺伝子型が違う
女性で多い子宮頸がんは、同じHPVが発生に大きく関わっていることが分かっています。
一時、子宮頸がんを予防するワクチンは公費での接種に指定されていましたが、重大な副作用が起こったという報告で、積極的に推奨することが凍結されたというニュースを聞いたことがあると思います。
あのワクチンで予防するのがHPVなのです。
ただし、尖圭コンジローマのHPVとは遺伝子型が異なり、子宮頸がんには主に16型や18型が関与しています。
尖圭コンジローマを発生させるHPVの低リスク型に対し、子宮頸がんを起こすHPVのことを高リスク型と呼びます。
男性でも高リスク型によって、陰茎や肛門のガンを発生させることがあります。
※これまで、尖圭コンジローマを起こす低リスク型HPVは腫瘍の原因にならないと考えられていましたが、近年、中咽頭ガンに関連していることがわかってきました。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/hpvdeganninaru/”]数では4番目の性病だけど実際は4万人も患者がいる?!
尖圭コンジローマは5類感染症に指定されているので、指定医療機関で患者が見つかった場合は報告する義務があります。
平成28年の年間報告数でみると、尖圭コンジローマは5,730人で淋病についで4位。クラミジアの24,396人に比べるとずいぶん少なく感じます。
しかし、これは全国にある1000ヶ所の指定医療機関で1年間に診断された数。
他の病院での患者はカウントされていませんし、後述するように尖圭コンジローマでは本人が発症に気づいていないことも多いのです。特に女性の場合は膣内にできていれば、まず本人が気づくことはないでしょう。
なので5,730人というのは氷山の一角です。
実際には日本人(男女年齢関係なく)の0.03%が尖圭コンジローマになっているとされています。数にすると4万人。年間これだけの尖圭コンジローマが出ているのです。
参考:厚生労働省
この数字はあくまでも日本人全体の感染率です。
妊婦さんや10~20代女性に限定すると感染率は大幅にアップします。
妊婦さん全体の感染率は0.23%
10代20代の妊婦さんに限定すれば
10代で1.30%
20代で0.41%となります。
これは妊婦さんの統計ですが、妊娠していなくても人並みに性行為を行っている人は同じくらいの感染率と考えていいでしょう。
感染していても発症しない不顕性感染者を含めると4倍いる!
尖圭コンジローマを発症した年間の推測患者数の4万人という数字は、あくまでもイボができてしまった人の数です。
HPVの6/11型に感染した人のうち尖圭コンジローマを発症した人は一部に過ぎません。
感染しても発病していない人(不顕性感染者)を含めると感染者は4倍いるといわれています。
つまり、日本では年間の感染者は16万人もいるという計算になります。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/mushojou/”]
尖圭コンジローマの検査方法は?
尖圭コンジローマの検査は、通常、病変があらわれてから行います。
感染に心当たりのある行為から発症するまでの潜伏期間にかなりのばらつきがあるため、行為後何日で検査可能という目安はありません。
気になる時は随時、病院へ行って検査を受けてください。
尖圭コンジローマの疑いがある時は何科に行けばいいの?
基本的には女性なら婦人科・産婦人科・性病科・皮膚科、男性なら泌尿器科・性病科・皮膚科・肛門科です。
しかし、症状の出ている場所で多少異なったりしますので、詳しくはこちらのページで確認してください。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/nanikaniiku/”]視診で確認!素人判断では他の病気と間違えるかも
特徴的なイボの外見から、視診のみで診断が可能です。
しかし、陰茎真珠様丘疹や膣前庭乳頭腫症、ボーエン様丘疹症など似た疾患があるので、素人判断は禁物です。
医療機関で専門医の診断を仰ぎましょう。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/dekimonokonji/”]組織診断
外見で判断できない場合や病変がわずか、あるいは肉眼的に病変がない、などの場合には、組織診断が行われます。
一部の組織を切除する生検や細胞診で判断します。
細胞診は治癒の確認にも利用されます。
DNAを検出する遺伝子検査
診断には、患部の擦過検体を使って遺伝子検査を用いることもできます。
利用可能な核酸増幅法には、HC(Hybrid Capture)法、PCR法、real tim PCR法などがあります。
病院と性病検査キットで検査可能
尖圭コンジローマの検査は病院と一部の性病検査キットで検査可能です。
性病検査キットの中では唯一kensa.bizでのみ検査を行なっていて、おりもの or 性器皮膚擦過物でHC法により検査できます。
性病検査キットの紹介サイトで、子宮頸がんとHPV(ヒトパピローマウイルス)の検査を尖圭コンジローマの検査として紹介している場合がありますが、その検査で検出するウイルスは16型、18型の高リスク型です。
高リスク型は子宮頸がんの原因となりますが、尖圭コンジローマの原因にはまずなりません。尖圭コンジローマは低リスク型の6型、11型(あるいは12型)ですのでよく確認してから申し込んで下さい。
kensa.bizのキットなら低リスク型HPVをHC(ハイブリッド・キャプチャー)法で調べることができます。病院へ行くのが恥ずかしいのなら、まず性病検査キットで確かめてみてはいかがでしょう。
尖圭コンジローマにかからないために心がける予防対策
特定のパートナー以外とのセックスでは必ずコンドームをつけましょう
尖圭コンジローマの感染は、セックス時に挿入で接触する部分、亀頭・陰茎や膣内から感染することが圧倒的に多いです。
他の部分に病変ができている場合は防ぎきれませんが、やはりコンドームを使用することが最大の予防対策と言っていいでしょう。
特定のパートナー以外、特に不特定多数の相手とセックスする場合は必ずコンドームをつけるようにしましょう。
ワクチン接種で予防可能
尖圭コンジローマでは、他の性病ではできないワクチン接種という有効な予防方法があります。
現在、日本では尖圭コンジローマの原因であるHPV6・11型と子宮頸がんの原因であるHPV16・18型の4つのウイルス型を同時に予防できるガーダシルというワクチンを利用可能です。
予防には3回の接種が必要で、初回・2ヶ月後・6ヶ月後に筋肉注射(主に腕)を行います。
尖圭コンジローマに対する予防効果は非常に高く、96.4%で感染を防ぐことができます。
ただし、すでに尖圭コンジローマに感染してしまっている人には効果がありません。
尖圭コンジローマの治療方法は?
尖圭コンジローマは自然治癒することもありますが、多くの場合、長期にわたる治療・観察が必要です。
尖圭コンジローマの治療には直接、病変に薬剤を塗る治療か、病変自体を取り除く治療が行われます。
塗り薬による薬剤治療
外部に露出しているペニスや陰唇などの外性器や肛門周囲の病変に対して、まず使用される治療法です。
イミキモド
ベセルナクリーム5% :2日に1回 週に3回イボに直接塗る
6~10時間経ってから、石けんで洗い流す必要があります。
HPVの増殖をおさえ、免疫力を高めて(NK細胞を賦活化)乳頭腫を消失させます。
大きなイボにも使えて、あとも残りにくい治療法です。
しかし、治療には時間がかかり、数ヶ月かかることも。
最大16週間の使用が認められています。
完全に治癒する確率は63.6%、病変が90%消失する率は76.4%です。
ベセルナクリームは尿道・膣・子宮頸部・肛門内・直腸には塗ってはいけません。
必ず守りましょう。
液体窒素を使った凍結療法
病変を液体窒素で凍結して壊死させてしまう治療法です。
多少の痛みはありますが、局所麻酔の必要がありません。
1~2週間に1回のペースで行います。小さなイボには適していますが、大きなイボの治療には向いていません。
治療期間が数週間におよぶこともあり、治療後も外科治療に比べて再発しやすい欠点があります。
レーザーメス・電気メス・ハサミによる外科治療
炭酸ガスレーザーや電気メスによって、イボを1つ1つ取り除く治療です。
処置には局所麻酔が必要です。
炭酸ガスレーザーではあとが残りにくいメリットがあります。
場所によってはメスやハサミで切除することもあります。
再発例ではインターフェロンによる治療をすることも
再発を繰り返す症例では、インターフェロンをイボの根元に直接注射する治療法が行われることもあります。
再発が多いので治癒確認は慎重に
尖圭コンジローマは治療に時間がかかる上に、再発の非常に多い性病です。
肉眼的にイボがなくなったように見えても、再発したり(3ヶ月以内の再発率25%)、パートナーへの感染源になることも多く、最低3ヶ月は病院にかかってチェックしてもらう必要があります。
再発を繰り返す、あるいは難治性の尖圭コンジローマでは、HIV感染や糖尿病など免疫が低下するような病気の併発があるかもしれません。
病変が消失していても、HPVがDNAとして残存していることが多く、不顕性感染になってしまうのです。
3ヶ月経って治癒と診断されても、のちに何かのきっかけで再発することも考えられます。
尖圭コンジローマは一度感染すると根絶することの難しい性病なのです。
まとめ
尖圭コンジローマという性病は、症状は重篤なものではないですがとてもやっかいな性病ですね。
感染しても症状が出なかったり、病変の場所よっては本人も気づいていなかったりします。
そのうえ、治療法も完治させる治療はないので、時間がかかったり再発が多かったりととても大変です。
性病全般に言えることですが、何よりも尖圭コンジローマにかからないように予防対策に力を入れることが重要です。
不特定多数とのセックスはなるべく控えて、コンドームを必ず使うようにしましょう。
kensa.bizのキットなら低リスク型HPVをHC(ハイブリッド・キャプチャー)法で調べることができます。病院へ行くのが恥ずかしいのなら、まず性病検査キットで確かめてみてはいかがでしょう。
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