エイズが死ぬ病気で亡くなって希望があるイメージ

エイズが初めて世に出てきた時は、感染してしまえば死を免れない死の病気として世界中がパニックになったそうです。

医学の進歩とともに感染しても発症をおさえることができるようになりました。

しかしエイズは決して制圧された病気ではなく、今でも毎年多くの方があらたに感染しています。

まだまだ重大な病気であることには変わりのないエイズについて、症状や感染ルート、注意すべきことなどをまとめてみました。

細かいことはいいから、検査について知りたい方は→エイズの検査方法、治療について知りたい方は→エイズの治療方法へショートカットしてください。

意外に知らないエイズの症状を詳細に解説

急性感染期

HIVの急性期症状

HIV感染から1~2ヶ月以内に風邪のような症状が出ることがあります。

症状が出ても自然に回復します。

疑われる行為があってから1~2ヶ月で風邪のような症状が出たらHIVの可能性があるかもしれません。

ただし症状から風邪と区別することは難しいですし、そもそも症状が出ない人も多いので感染の目安には使えません。

無症状期

自覚症状がない時期が平均10年程続きます。

治療しないとこの時期に、CD4陽性細胞であるTh細胞(ヘルパーT細胞)という免疫機構の中心的役割を果たす細胞がHIVにより破壊されて徐々に数が減っていきます。

CD4陽性ヘルパーT細胞が減少して免疫機能が低下すると次のような症状が起こってきます。

  • 発熱が続く
  • 寝汗をかくようなる
  • リンパ腺が腫れてくる
  • 疲れやすくなる
  • 下痢をするようになる

エイズ期

残念な報告をする女医

10年ほど経って免疫が落ちきってしまうと、さまざまな症状があらわれてきます。

厚生労働省の定めるエイズ指標疾患が1つ以上認められたらエイズと診断されます。

これらの疾患は健康であれば自分の力で発症をおさえることのできる病気です。(日和見感染症)

以下にすべてのエイズ指標疾患をリストにしてあります。タップorクリックしてご覧ください

エイズ指標疾患 ※タップorクリックで開きます
参考MSDマニュアル

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染経路は?何をしたら伝染るの?

性病であるHIVはセックスで感染するのは当然ですが、他の感染経路についてはどうでしょう?

HIVはあらゆる性行為で感染します

いつ感染するかわからないクラミジアのイメージ

HIVは感染者の精液・膣分泌物・血液に多く含まれています。

これらに含まれるHIVが粘膜や傷口を通して体内に入ることで感染が成立します。

しかし、HIVは感染力は弱いので少量入ってもなかなか感染することはないのです。

感染者との性行為(精液・膣分泌物による感染)

  • 膣性交
  • アナルセックス
  • オーラルセックス(特に口内射精を伴うもの)

感染率は低く1%程度(アナルセックスが高い)と言われています。

コンドームを使うことでリスクをかなり下げることができます。(→行為による危険度の違い

血液による感染も重要な感染経路

エイズが出始めの頃、男性同性愛者とともにドラッグ常用者の間で注射器の共用で広がったことでもわかるように、HIVは血液を介しての感染も注意が必要です。

  • 注射器や注射針の共用
  • HIVを含んだ血液が傷口や粘膜に触れる

などで感染することがあります。

 

感染率は低く注射の針刺し事故で0.3%と言われています。

赤ちゃんが危ない!母子感染の可能性

妊婦にも多く見つかるクラミジア感染

HIV感染でパートナーへの感染以上に気をつけないといけないのは、生まれてくる赤ちゃんへうつってしまうことです。

お母さんがHIVに感染していると胎児への胎盤感染分娩時の血液母乳を介して、赤ちゃんに感染することがあります。

何の対策も取らなかった場合の感染率は20~30%と言われています。

妊娠中から感染予防の対策を取れば1%程度に抑えられます。

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感染の心配がないもの

HIV感染の心配のない行動

エイズが知られるようになった頃は、感染者に触っただけでうつるなんていう間違った知識が広がって、感染者への差別が問題になっていました。

しかしHIVは血液や精液、膣分泌物さえ注意していれば、感染する心配はありません。

ましてや日常生活でうつる心配はないので安心してください。

以下のようなシチュエーションは問題ありません。

  • 体に触れる、握手する
  • キスする
  • 咳・くしゃみ
  • 汗・涙
  • トイレ・風呂・プールの共用
  • 食器・お箸の共用、回し飲み

いつ感染した?HIVの潜伏期間は?

 

潜伏期間

HIVに感染してから1~2ヶ月で風邪のような症状が出ることがあります。

あったとしても気づかないことも多いですし、治ってしまえば健康な人と何ら変わらない状態が長期に続きます。

そしてそのまま治療しないで放置した場合は10年以内にエイズを発症します。

無症状の間は検査をしないかぎり気づくことはできません。そのまま気づかずに発症してしまっては手遅れになります。

性病検査を積極的に受けて早期発見することがとても大切なのです。

 

エイズとはどんな病気?感染者数は?

エイズという病気を知らない人はいないでしょうが、どんな経過をたどってどんな症状を出すのか?日本ではHIV感染の現状はどうなのか?を知っている人はあまりいません。

まずはエイズの現状について見てみましょう。

死ぬ病気ではなくなったエイズ

エイズ

エイズとは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)がリンパ球に感染することで、病原体から体を守っている免疫機構が上手く働かなくなり、健康な人なら起こらないようなさまざまな感染症(日和見感染症)を引き起こす病気です。

特に性器に病変を現すわけではありませんが、感染経路として性行為が重要なので性病として分類されます。

よく誤解されることなのですがHIV感染症=エイズではありません

HIVに感染しても免疫機能は徐々に失われるので、当初は自覚症状がありません。

気づかないまま治療しなくても長期間、普通に生活することができます。

このような無症状期間はエイズとは言わないのです。

その後、免疫が低下して一定の症状が出たものをエイズといいます。

HIV感染からエイズ発症まで平均10年と言われています。

この無症状の間のできるだけ早い段階でHIV感染を見つけることができれば、治療によってエイズ発症を抑えることができます。

逆に言うとエイズを発症してからでは遅いのです。

無症状なのでHIV検査を受けないかぎり感染に気づくことはできません。

つまり積極的に性病検査を受けるかどうかが命が助かるかどうかに関わってきます。

 

nicol説明

HIV感染症を治す方法はまだありませんが、新薬の開発により、病期の進行をおさえることができるようになりました。もはやエイズは死の病気ではなくなっています。

まだまだ多い日本のHIV感染者数

エイズウイルス

日本のHIV感染者の現状について見てみましょう。

平成25年度の新規HIV感染者数は1,077人、新規エイズ患者(発症者)は431人。

平成25年度の累計HIV感染者数は15,783人、累計エイズ患者(発症者)は7,188人。

新規の感染者は非常に少なく感じるかもしれませんが、HIVは他の性病と違い一度感染すると治ることはありません。

つまり、毎年感染者数が積み上がっていくということ。

年間の新規HIV感染者はそれほど多くはありませんが、累計ではかなりの人がいるということに注目してください。

さらにHIV感染は検査を受けないかぎり本人も気づかない性病なので、この数字に現れていない潜在的な感染者数はかなりの数になることは間違いありません。

なので、新規の感染者数を見て「案外少ないから大丈夫そう」なんて考えないでくださいね。

参考エイズ予防情報ネット

HIV感染症の治療方法は?

性病治療薬

抗HIV治療

抗HIV治療薬を使って、体内のHIV増殖を抑制して病期の進行を遅らせます。

治療ガイドラインによれば、感染がわかった時点で治療開始することが推奨されます。

感染症の進行の度合いにあわせて治療薬が組み合わされて処方されます。

nicol説明2

抗HIV治療はコストがかかりますが、一定の基準を超えたHIV感染者は身体障害者認定を受けられ、治療費がまかなわれる可能性があります。

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日和見感染の予防と治療

予防薬の投与

免疫が低下して日和見感染を発症する可能性があれば予防薬を使用します。

治療薬の投与

日和見感染を発症した場合は治療薬を使用します。

HIVの検査方法は?

登録衛生検査所のイメージ

血液を採取してHIV抗体が存在するかどうかを検査します。

HIV抗体を検出可能になるのは感染後1~3ヶ月です。

1ヶ月2ヶ月の時点でも検査は可能ですが遅れて抗体が出てくることもあるので、たとえ陰性であってもHIV感染の可能性は残ります。

なので、確実に大丈夫ということを知りたいのなら、感染の可能性のある日から3ヶ月あけてから検査をするようにしましょう。

スクリーニング検査として酵素抗体法(ELISA法)、粒子凝集法(PA法)、免疫クロマトグラフィー法(IC法)などを行って、陽性だった場合に次のいずれかの検査をします。

  • 抗体確認検査(Western Blot法、蛍光抗体法(IFA)等)
  • HIV抗原検査、ウイルス分離及び核酸診断法(PCR等)等の病原体に関する検査

この検査で陽性であればHIV感染症と診断されます。

HIV感染症は報告の義務がある病気

HIV感染症とエイズはともに感染症法の5類感染症に属し、医師は診断した患者を全数報告の義務があります。

参考厚生労働省

HIV感染症は自宅で検査できます

性病検査キットなら病院と同じHIVの検査が自宅でできます。

HIVに関しては保健所に行けば無料で匿名検査をしてもらえますが、人と顔を合わせたくない人には郵送による性病検査キットの利用が最適です。

性病検査キットのメリット

局留めで検査キットを受け取れば、後は自宅で検体を採取して郵送して、検査結果はオンラインで知ることができるので、最初から最後まで誰にも知られずに検査を終えることができます。

検体の採取方法

GME医学検査研究所説明ビデオより

キットに含まれているランセット(採血道具)を使って指先から血液を採取します。

特に技術もいらないので誰にでもできます。

通常のものでも我慢できる痛さですが、痛みが怖い方には痛みの少ない特殊なランセットを扱っている会社もあります。

ほとんど痛みがないランセットでHIV検査ができるのはさくら検査研究所だけ

ランセットというのは、自宅で性病検査をする際に、検体として血液を自分で採取するための採血器具です。

従来のものでもそれほど痛いものではない(裁縫で誤って針で突いたくらい)のですが、それでも痛いのが苦手な人にはなかなか勇気がでないかも。

そんなあなたに、さくら検査研究所の痛くないHIV検査キットに付属する痛くないランセットなら、樹脂製の特殊な針を使っているので従来のランセットよりグッと痛さが和らいでいます。

今まで痛そうで勇気がなかった方、さくら検査研究所の痛くないHIV検査キットで初めての性病検査にチャレンジしてみてください。