男性における代表的な性病の症状というと、たいていは淋病のようなオシッコをするときに痛みが出る症状を思い浮かべると思います。
実際にあなたが排尿時に痛みを感じたり尿道から膿が出たりしたら、性病にかかったかもしれない!と心配になりますよね。
そこで性病検査をしたところ、クラミジアと淋菌が検出されなかったとします。
とりあえずは性病でなくて良かった!と胸をなでおろすところですが、実はクラミジアや淋病とは別の性病であることも多いのです。
いったいどのような性病なのでしょう?
目次
クラミジアと淋菌以外の病原菌で起こる非クラミジア性非淋菌性尿道炎
男性の性病(尿道炎)と言うとクラミジア性尿道炎が最も多いですが、その他によく知られているものに淋菌性尿道炎があります。
淋菌による尿道炎は症状が強いので、男性の尿道炎は大きく淋菌性尿道炎(GU)と非淋菌性尿道炎(NGU)に分類されています。
NGUの内、原因として最も多いのはもちろんクラミジア性尿道炎なのですが、実際にクラミジアが検出されるのは30~40%に過ぎません。
残りのクラミジア以外によって起こるNGUのことを非クラミジア性NGUとして区別しますが、クラミジア性尿道炎と臨床症状には違いがないのです。
現在のところ非クラミジア性NGUの原因菌は確定していませんが、候補としてマイコプラズマとウレアプラズマが関連していると考えられています。
マイコプラズマもウレアプラズマも検出されない非クラミジア性NGUもあって、その病原菌についてはまだわかっていません
非クラミジア性NGUの感染経路と潜伏期間
非クラミジア性NGUの感染経路
原因菌そのものの解明が十分でないので、断定できませんが淋病やクラミジアと同じく
- 性器同士の接触
- 膣性交
によって感染すると考えられます。
咽頭感染については今のところ認められていません。
クラミジアと同様に考えてコンドームを使用することで感染リスクを大きく下げることができると考えられます。
非クラミジア性NGUの潜伏期間
まだまだ研究段階で、潜伏期間についてもはっきりしていません。
一般に1~5週間と言われています。
非クラミジア性NGUの患者数
原因がまだ確定されていない上に、報告義務がないために統計上のデータはありません。
しかし、NGUの原因としてクラミジア性尿道炎の約2倍を占めるため、実際の患者数は男性の性器クラミジア患者数を大きく上回ると考えられます。
非クラミジア性NGUを蔓延させないためにできること
女性の非クラミジア性非淋菌性子宮頸管炎患者において、子宮頚管部の採取した検体からマイコプラズマが検出されているので、感染者男性から女性を介して他の男性へと感染していく可能性があると考えられています。
男性において非クラミジア性NGUが診断された場合にも、感染を広げていかないようにパートナーを同時に治療することが推奨されています。
非クラミジア性NGUの症状
症状は比較的ゆっくりと出てきます。
- 尿道分泌物の排出(漿液性~粘液性で朝起きた時に下着が汚れているだけのこともある)
- 排尿痛
- 尿道のそう痒感
症状だけからはクラミジア性尿道炎との区別は付きません。
非クラミジア性NGUの治療法
臨床の現場ではNGUに対してはクラミジアとして治療を開始します。
クラミジアの治療薬であるテトラサイクリン系、マクロライド系、ニューキノロン系の抗生剤は多くの場合非クラミジア性NGUにおいても症状が改善します。
しかし、一般に非クラミジア性NGUはクラミジア性尿道炎に比べて治りにくいことから、症状が消えなかったり再発することが多いので注意が必要です。
非クラミジア性NGUの検査法
数年前まで非クラミジア性NGUの検査は、一部の研究施設でしか行うことができませんでした。
現在ではSTD研究所の性病検査キットではマイコプラズマとウレアプラズマの両方を調べることができるようになりました。
男性の尿道炎に絞ったクラミジア・淋菌・マイコプラズマ・ウレアプラズマの4種を検査できるタイプCか、徹底的に検査をしたい方のために10項目が検査できるタイプUの検査キットで調べることができます。
性病検査キットの使用法
STD研究所のマイコプラズマ・ウレアプラズマ検査は尿検体を使って調べます。
- キットに入っている折りたたみコップを広げて、そこに尿を採取します。
- そしてコップの尿を送付用のスピッツ(小さな試験管)に移し替えたら尿が漏れないようにキャップをします。
- スピッツを同梱された返送用封筒に入れて送るだけです。
唯一、マイコプラズマとウレアプラズマの検査ができるSTD研究所のサイトは下のボタンをクリック。