膣カンジダ症は性病のイメージが強いですが、女性にとっては非常に身近な病気です。
女性では、性病としての膣カンジダ症はごく少数にすぎません。
むしろ、日常的にいつでも起こる病気として考える必要がありますね。
この記事では、女性にとっての膣カンジダ症についてまとめてみました。
膣カンジダ症について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/candida/”]目次
カンジダは男性にとって性病だけど女性にとっては当たり前のもの
膣カンジダは日本性感染症学会のガイドラインでも世界保健機関(WHO)においても性病として扱われています。
お墨付きの性病ではあるのですが、女性にとってはちょっと違っているのです。
確かに男性では、膣カンジダ症のほとんどが性行為によって感染するもの。
しかし、女性の膣カンジダ症のうち、性行為によって感染したものはたったの5%でしかありません。
ほとんどは、もともと膣内に持っていたカンジダが、何かのきっかけで増殖して起こってくるのです。
そう聞くと、
「えっ、もともとカンジダを持っているってどういうこと?」
って疑問に思いますよね。
どうして膣内にカンジダがいるのでしょうか?
女性に膣カンジダ症が多い原因
膣カンジダ症はほぼ女性の病気と言っていいほど、女性に多く起こる性病です。
その理由は膣カンジダ症の性病ではない部分に原因があります。
カンジダはどこにでもいる常在菌
膣カンジダ症を起こすカンジダは、ほとんどがCandida albicansという種類のカンジダ菌です。
膣内にこのカンジダを持っていること=膣カンジダ症というわけではありません。
健康な人でも、口の中や腸の中、皮膚、膣内などにカンジダがいることは普通のことなのです。
カンジダはいわゆる常在菌として普段は存在しています。
女性では15%の人がカンジダを膣内に保有しているといわれています。
カンジダを膣内に保菌していても、菌数が少なく安定していれば何の問題もありません。
カンジダを保菌している人で膣カンジダ症を発症しているのは1/3にすぎないと言われています。
菌同士のバランスが崩れて、カンジダが異常増殖してはじめて膣カンジダ症になるのです。
女性の感染ルートは自己感染
先に、女性は性行為によるカンジダ感染は5%しかないと述べましたが、では、残りの95%ではカンジダはどこからやってきたのでしょうか?
膣内のカンジダのほとんどは自己感染によるものです。
カンジダは皮膚や口にもいますが、膣内への感染源は腸内のカンジダだといわれています。
腸内のカンジダは排便によって肛門に付着しています。
女性は男性と違い、性器と肛門が近いために肛門から膣内へとカンジダが移ってしまうのです。
自己感染ゆえに再発は多い
自己感染することは、女性の膣カンジダ症が繰り返し再発することの多い理由でもあります。
膣カンジダ症を発症して治療し、膣内のカンジダを除去しても、いずれまた自己感染が起こってしまうのです。
カンジダが膣内に感染することを確実に防ぐことはできないでしょう。
なので再発を防ぐためには、カンジダをいかに増やさないかという面から取り組むことが重要です。
女性で膣カンジダ症が起こりやすい時期
カンジダが増殖するかどうかは、膣内環境がカンジダにとって棲みやすいかに左右されます。
女性の場合、ホルモンの周期によって膣内環境が大きく変わるので、性周期の時期などによってはカンジダが増えやすくなったりします。
生理
生理前になると、黄体ホルモンのプロゲステロンによって膣内のpHが酸性に傾きます。
カンジダ菌は酸性の環境を好む性質があり、増殖しやすくなります。
なので、生理中は膣カンジダ症が起こりやすく、予防ケアにつとめることが大切です。
妊娠
妊娠中もプロゲステロンが常に上昇しているため、生理中と同様に膣カンジダ症が起こりやすくなっています。
女性は日頃のケアにつとめて予防しましょう
膣内へのカンジダの感染を防げないのなら、カンジダが増えないようにすることで予防する必要があります。
蒸れないようにする
蒸れた環境ではカンジダが増殖しやすくなります。
高温多湿の季節や運動をして汗をかいた時、生理中などは、
- こまめに下着を変える
- こまめにおりものシートを取り替える
- 風通しのいい服装をする
などして、陰部が蒸れないように気をつけましょう。
傷つけないようにする
性器に傷や炎症があると膣カンジダ症を発症しやすくなります。
刺激の強い石けんで陰部を洗ったり、強くこすって洗ったりして傷つけないようにしましょう。
また、他の性病があるとカンジダも併発しやすくなります。
定期的に性病検査を受けて、性病があればきちんと治療をしましょう。
免疫力を低下させない
自身の免疫力が低下すると、カンジダが増殖して日和見感染します。
免疫力を低下させる原因として以下のようなものがあります。
- 糖尿病
- 免疫抑制剤を飲んでいる
- ステロイド剤を使っている
- HIVに感染している
免疫を低下させるわけではありませんが、抗生剤を服用していると膣内の菌のバランスが崩れてカンジダ症が起こることも多いです。
以上の条件に当てはまる人は、治療や休薬を考え、日頃のケアにつとめましょう。
膣洗浄をして清潔さを保つ
もう1つの方法として膣洗浄を行って膣内の環境を清潔に保つという方法があります。
生理前におりものの増える時期や生理の終わりかけの残血が出てくる時期は、膣内の環境が変わりやすいポイントです。
カンジダが増えないように膣洗浄を行ってあげるのもおすすめです。
性行為の前後に使って雑菌が増えないようにするのにもいいですよ。
膣カンジダは女性なら誰でもなるもの
上に述べたように、膣カンジダ症は性病のイメージが強いですが、女性ではほとんどが自己感染によるものです。
女性の膣内のカンジダ保菌率は15%ほどですが、生涯のうち1度は感染するもので、4人に3人の女性が膣カンジダ症を経験するくらいあたりまえの病気です。
なので、膣カンジダ症になったからといってけっして恥ずかしがる必要はありません。
堂々と病院へ行って治療を受けましょう。
最初は病院へ2回目からは自分で治療可能
はじめて膣カンジダ症になった時は、病院へ行ってきちんと診断を受けて治療をする必要があります。
しかし、再発した場合には、薬局で売られる市販薬で治療をすることが可能です。(もちろん病院へ行って治療を受けても構いません)
佐藤製薬のエンペシドL、小林製薬のフェミニーナ 腟カンジダ錠、大正製薬のメディトリートなどが発売されています。
2度目からは症状をみて自分でカンジダと判断できるとして、再発専用の治療薬が市販されました。
なので、最初はこういう症状がカンジダであるというのを確認するためにも、病院での診断が必要です。
1回目から自分で治療したりしないようにしましょう。
まとめ
膣カンジダ症はセックスしなくてもなることのある性病ではなく、女性にとってはセックスしなくてもなるのが当たり前の病気です。
女性は性行為関係なく、いつカンジダ症になっても不思議ではないものとして、日頃のケアを心がけるようにしましょう。
もし、症状が出てきても恥ずかしがることなく、積極的に治療を受けるようにしましょう。
膣カンジダ症について詳しくは>>>膣カンジダ症ってどんな病気?原因・感染ルート・症状など徹底解説!
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