アナルセックスで感染するのは、赤痢アメーバ症やHIV、A型肝炎だけではありません。
通常の膣性交で感染する性病で腸炎を起こすものも多いですし、性病ではないのにアナルセックスをすることで感染するリスクが高くなる病気もあります。
この記事では、アナルセックスをしている人が気をつけないといけない腸炎を起こす性病と性病以外の病気をご紹介します。
目次
性病の病原体による腸炎
アナルセックスで感染する性病の病原体による腸炎には、もともと腸炎が主な症状である赤痢アメーバ症以外に、本来の感染部位ではない性病が腸に感染して起こる腸炎があります。
赤痢アメーバ症(アメーバ性大腸炎)
ゲイの人に感染者の多い性病です。
しかし海外に行った人では、性行為していなくても感染している可能性があります。
誤解されやすいのですが、赤痢アメーバ症は普通の性病と違い直腸と性器の間で感染するわけではありません。
直腸・肛門からの糞便に含まれる赤痢アメーバを口にすることで感染します。
なのでアナルを舐めたりすれば感染しますし、アナルセックスをすることで指などが汚染されて、その指を舐めることで感染します。
アナルセックスで直接感染するわけではなく、感染の機会を増やしてしまうということです。
そのため感染予防にコンドームは役に立ちません。
感染するといちご状の粘血便やしぶり(便意がつづく)、下腹部痛などが起こります。
梅毒性直腸炎
梅毒性直腸炎はゲイの人に割とよく起こります。
梅毒は病原体が感染した部位に硬性下疳という潰瘍を作ります。
通常は硬性下疳は痛みがないのですが、アナルセックスによって肛門や直腸の粘膜に硬性下疳ができた場合は、二次感染によって炎症を起こし痛みのある直腸炎が起こることがあるのです。
梅毒の予防にコンドームは不十分ですが、梅毒性直腸炎に関してはおおいに予防効果が期待できます。
クラミジア直腸炎
クラミジア直腸炎の患者数のデータはありませんが、性器クラミジア自体が非常に多い性病なので、潜在的に多くの人がなっていると考えられます。
特に女性の場合はアナルセックスをしなくても、自己感染によるクラミジア直腸炎が高頻度で起こっています。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/joseinochokuchoen/”]クラミジア直腸炎になると直腸粘膜にイクラ状の隆起ができるのが特徴です。
症状として腹痛や粘血便が出ることもありますが、多くは無症状です。
クラミジア直腸炎は性器クラミジアの治療をすることで気づかないまま自然に治っているようです。
淋菌性腸炎・単純ヘルペス
淋菌性腸炎はクラミジア直腸炎と同じくアナルセックスをしていなくても多くの女性に起こってるといわれています。
淋菌で腸炎を起こした時は痛みが強く、排便する時やアナルセックスをする時に強い痛みを感じます。
単純ヘルペス(性器ヘルペス)の腸への感染でも同じような症状を出すことがあります。
こんな症状があれば、まず痔を疑ってしまいますが、女性の場合は淋菌性腸炎の可能性もあることを頭に入れておいたほうがよさそうです。
性病以外の病原体による腸炎
性病には含まれていませんが、アナルセックスをすることで感染してしまう病気がいくつかあります。
性病がオールクリーンなのに腸炎の症状がある場合は、これらの感染症による腸炎なのかもしれません。
細菌性赤痢
いまだにアジア圏では多く見られる感染症です。
日本でも散発的に発生していて、年間1,000人前後の患者が発生しています。
海外へ行った人が感染したり、井戸水などが汚染されて集団発生したりします。
感染者の糞便から感染するので、赤痢アメーバ症と同じようにアナルセックスなどの性行為で感染してしまうことがあります。
症状は発熱、下痢、粘血便などがあらわれます。
サルモネラ腸炎
サルモネラ腸炎は主に食中毒で起こることが知られています。
やはり便からうつるので、アナルセックスなどの性行為で感染するリスクがあります。
症状は急性胃腸炎で、吐き気や嘔吐、発熱、腹痛や激しい下痢が起こります。
アナルセックス後にひどい下痢が起こった場合はサルモネラ腸炎なのかもしれません。
カンピロバクター腸炎
カンピロバクターはサルモネラ腸炎と同じく食中毒の代表的な原因菌です。
アナルセックスなどの性行為で感染することがあるのも同様です。
症状は、吐き気や嘔吐、発熱、頭痛、悪寒、下痢とサルモネラ腸炎に似ています。
時に、粘血便が出ることもあります。
サイトメガロウイルス腸炎
免疫が低下してしまったエイズ患者によく見られる腸炎です。
しかし、サイトメガロウイルスに感染することは珍しいものではありません。
70~90%の人が感染しているといわれています。
感染していない人は性行為(膣性交、アナルセックス)やキスで唾液から感染する可能性があります。
健康な人が感染すると、発熱やリンパ節の腫れなどが起こります。
もし、エイズなど免疫が低下している人が感染するとサイトメガロウイルス腸炎が起こります。
性行為で感染はしますが、健康な人では問題になることはまずない腸炎です。
まとめ
アナルセックスで腸炎を起こす病気は意外にたくさんあります。
これらの病気の予防にはコンドームがまず役に立ちませんから、衛生面に気をつけることが大切です。
一般的には赤痢アメーバ症を気をつければいいですが、ちょっと症状が違うとか検査をしても赤痢アメーバが見つからなかった時には、他にもたくさんの病気の可能性があることを思い出してみてください。
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