ヒトパピローマウイルス(HPV)は多くの遺伝子型に分類され、性器に感染するものだけで40種以上にも上ります。
尖圭コンジローマの原因となるHPVの遺伝子型はこのうちのごく一部のものです。
他の遺伝子型でも性器にできものを発生させますが、正確にはそれらは尖圭コンジローマではありません。
近年になって、尖圭コンジローマを起こす遺伝子型以外のHPVの中には、子宮頸がんを起こすものがあるということがわかってきました。
副作用があるとしてほとんど接種されなくなりましたが、一時、広く勧められていた子宮頸がんワクチンはHPVに対するワクチンだったのです。
尖圭コンジローマと子宮頸がんの原因ウイルスが同じ仲間だったなんて、知ってました?
この記事では、同じ種類のウイルスでありながら、尖圭コンジローマと子宮頸がんという違う病態をあらわすHPVの詳細について調べてみました。
目次
低リスク型のHPVで起こる尖圭コンジローマは悪性化の心配はない
尖圭コンジローマはHPVの多数ある遺伝子型のうち、低リスク型と言われる6型、11型の感染によって発症すると言われています。
尖圭コンジローマの症状
低リスク型HPVの感染によって男性では亀頭、冠状溝、陰のうなど、女性では大小陰唇、膣、子宮頸部などのほか、肛門周囲や直腸内などに淡紅色~褐色をした乳頭状あるいは鶏冠状のできものが発生します。
また、オーラルセックスをすれば口に病変ができることもあります。
皮膚型のHPVによって性器に疣贅(イボ)ができることがありますが、これは尖圭コンジローマとは異なります。
尖圭コンジローマについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/papilloma/”]低リスク型6型11型の将来のリスク
これら尖圭コンジローマを起こす性器型のHPVは、将来に子宮頸がんを発生させるリスクは証明されていません。
感染したからといって腫瘍化する心配をする必要はありません。
最近になって、低リスク型HPVが咽頭(のど)に感染することで中咽頭がんになる可能性が指摘されています。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/hpvdeganninaru/”]中間リスク型・高リスク型のHPVは子宮にできものを発生させる
現在、中間型で3種、高リスク型で15種の遺伝子型に分類されています。
これらは子宮頚部に病変を発生させて最終的に子宮頸がんに至ることがわかっています。
原因となる遺伝子型は主に16型と18型HPVと言われています。
高リスク型の症状
子宮頸部に扁平状のできものを作ります。
前癌病変なので定期的に細胞診(細胞の形態検査)を行ってガン化していかないかをモニターする必要があります。
中には外陰部や肛門に扁平状のできものを作るボーエン様丘疹症や性器ボーエン病を起こすことがあります。
これらを起こすのも多くはHPV16型の感染によります。
子宮頸がんに備えてできる対策
尖圭コンジローマに限らず、性器型のHPV感染は性行為によって成立します。
感染はけっして特別なことではなく、ごく普通に性交渉の機会があれば感染していてもおかしくありません。
女性では8割の方が生涯のうち1度は感染すると言われているのです。
しかし、感染したからといって必ず発症するというわけではなく、多くの方が発症しないまま自然治癒していきます。
ただし、女性の場合は本人もきづかないまま子宮頸部に前癌病変を作り、何年も後になってガン化するリスクがあるので注意が必要です。
HPV感染予防はワクチンのみ
感染を防ぐには冒頭で話に上がったワクチンを接種するしかありません。
日本では高リスク型(16型、18型)に対する2価ワクチン(サーバリックス)と尖圭コンジローマを含めた(6型、11型、16型、18型)4価ワクチン(ガーダシル)の二つが認可されています。
海外では広く普及していますが、日本では副作用の問題が持ち上がり、ワクチンの普及がストップしています。
定期的な検査で感染と細胞の変化を早期にチェック
上に書いたように、HPVはいつ感染してもおかしくありません。
ワクチンが普及していない現状では、定期的に検査を受けて感染をチェックするしかありません。
同時に細胞診を行って、ガン化の兆候を見逃さないようにすることも大切です。
kensa.bizなら低リスク型も高リスク型も検査できます
HPVの定期検査には自宅で行える郵送を使った性病検査キットによる検査がおすすめ。
時間と場所を選ばず、内診の恥ずかしい思いもしなくて済むので気軽に検査できます。
また、kensa.bizなら高リスク型だけでなく、尖圭コンジローマの原因となる低リスク型の検査も行えるのでより安心。