睾丸のイメージ

男性の性病と言えば、大半は”オシッコする時に痛い”とか”尿道から膿が出た”というようなクラミジアや淋病による尿道炎が思い浮かべるでしょう。

他にも、できものができるタイプの尖圭コンジローマ・梅毒・性器ヘルペスなども少なくありません。

あとは、性器に症状を出さないウイルス性の性病、HIVやウイルス性肝炎なんかもありますね。

しかしあまり知られていないものとして、急に睾丸に強い痛みが出る急性精巣上体炎が性病の症状の1つとして出ることがあるのです。

それほど多いものではないですが、最初の対応を誤ると不妊になってしまうこともあるので注意が必要です。

この記事では急性精巣上体炎について詳しく解説しています。

思いがけず不妊にならないためにもポイントをしっかり抑えておきましょう。

精巣上体とは

精巣の構造
引用http://cnx.org/

急性精巣上体炎と言っても、そもそも精巣上体が何なのかわからない人が多いと思います。

精巣(睾丸)=タマタマであることは知っていても、精巣上体という名前は聞いたこともないという人が大半でしょう。

精巣上体は別名:副睾丸と言われ、精巣の頭部から後縁に密着する付属の器官です。

被膜に包まれていて、精巣から出てくるいくつもの生殖管が縮れ麺のように詰まっています。

精巣上体は精巣で作られた精子を一時的に貯蔵しておく場所で、生殖管は合流して尾部へと降りていき、輸精管へとつながっていきます。

外から陰のう越しに触ってみても、精巣上体の形をはっきり確認することができますよ。

注意すべきはクラミジアと淋菌

精巣(精巣上体を含む)に痛みを生じる病気はいくつかありますが、精巣上体炎を起こす性病は淋菌とクラミジアに限られます。

この2つによる精巣上体炎は感染ルートは同じでも、その症状には少し違いがあります。

淋菌性精巣上体炎

尿道に感染した淋菌を治療せずに放っておくと、尿道から精管を通って精巣上体へと感染が広がることがあります。

淋菌によって精巣上体炎が起こると、激しい炎症が起こり強い痛みを生じます。

淋菌性尿道炎では全身症状が出ることはないのですが、精巣上体炎になってしまうと、発熱し、陰嚢(いんのう)は腫れ上がり、時に歩行するのさえ困難になってしまいます。

最初は片側だけに起こりますが、治療が遅れるともう一方にも症状が現れて、最悪の場合には無精子症になり不妊になってしまうこともあります。

淋病について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

クラミジア性精巣上体炎

クラミジアによる精巣上体炎は淋菌によるものよりも多く、クラミジア性尿道炎を起こした患者の5%に併発するといわれています。

35歳以下の人に起こる精巣上体炎のほとんどがクラミジア性精巣上体炎だとされています。

症状は淋菌によるものよりは腫れや発熱が軽く、症状の出る場所も精巣上体尾部に限局することが多いです。

クラミジアについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

性病以外で起こる睾丸の痛み

梅毒について説明する女医

精巣上体炎の原因となるのは淋菌とクラミジアだけではありません。

一般的な尿道炎や膀胱炎を起こすような他の病原菌によっても起こることもあります。

また、精巣上体炎ではなく、睾丸そのものの異常で同じような症状を出すことがあります。

睾丸に痛みが生じた時は精巣上体炎なのか?それとも他の原因によって起こっているのかを見極める必要があります。

痛みをもたらす睾丸の異常にはどのようなものがあるのかいくつか挙げてみましょう。

ムンプス(mumps)

ムンプスとはおたふく風邪(流行性耳下腺炎)のことです。

一般には子供の頃になる病気で、ほっぺたが腫れることで知られていますが、あまり知られていない合併症状として睾丸炎があります。

これは大人がおたふく風邪になった場合に出る症状で、子供の頃におたふく風邪にかからないまま、思春期以降にかかってしまうと20~30%で睾丸炎が起こります。

淋菌・クラミジアと違い精巣上体ではなく精巣が腫れます。

精巣上体ではなく精巣が腫れていることは触診することで鑑別することができます。

全身症状として発熱が見られることもあります。

また両側の睾丸が腫れることもあります。

精索捻転

子供から青年期に多く起こる病気で、炎症によるものではないですが精巣上体炎と同じような症状があらわれます。

その名の通り、陰嚢の中で精巣が回転することで精索(精管、精巣動脈、精巣静脈とそれを覆う皮膜からなる索状構造)が捻転して発生します。

精巣上体炎よりも発症は急激で痛みも激しく、当初は腫れはありませんが時間とともに腫脹してきます。

プレーン徴候と言って、陰嚢を挙上すると痛みが増すという特徴がありますが、精巣上体炎とまぎわらしいことも少なくありません。

発生してから3時間以上経つと精巣は壊死してしまうので、早急な手術が必要となります。

精巣上体結核

結核菌が血行性に精巣上体へ感染して起こります。

急性精巣上体炎に比べると、症状の出方はゆっくりで痛みも軽めです。発熱もありません。

急性精巣上体炎を疑って抗生剤の治療を行っても良くならない場合には、精巣上体結核の疑いがあります。

精索静脈瘤

精索部分が腫れます。痛みは激しいものではなく鈍痛で、発熱もありません。

触ってみても精巣と精巣上体は正常のことが多いです。

バルサルバ徴候と言って、腹圧をかける(お腹に力を入れる)と腫れが大きくなるのが特徴です。

睾丸の痛みを起こす病気まとめ

上記の睾丸に痛みを起こす病気を表にまとめてみました。

 淋菌クラミジア精索捻転ムンプス精巣上体結核精索静脈瘤
経過やや急激やや急激突然起こるやや急激徐々に徐々に
痛み強いやや強いとても強い強い軽い軽い
発熱時に発熱時に発熱(軽)なし時に発熱なしなし
触診所見精巣上体が腫大・圧痛精巣上体尾部が腫大・圧痛精索が肥厚・圧痛精巣が腫大精巣上体が腫大・圧痛精索の腫大
特徴尿道炎があれば尿道より分泌物尿道炎があれば尿道より分泌物プレーン徴候が認められる耳下腺も腫れる陰のうが破れて膿が出ることがあるバルサルバ徴候が認められる

睾丸が痛ければ、すぐ病院へ

睾丸に痛みを感じた時は性病のことが多い(特に中年以下のクラミジア)のですが、他の原因で起こっていることも珍しくありません。

特に精索捻転であった場合には時間的な余裕がなく、早急に手術をする必要があります。

他の性病症状のように悠長に性病検査をしている時間はありませんので、睾丸に痛みを感じたらできるだけ早く病院へ行くようにしましょう。

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