性器にできものができたときに、まず疑うのは性病にかかってしまったのではないか?ということですね。
当サイトでも、性器に発疹や潰瘍、しこりなどができるさまざまな性病のことをご紹介しています。
(潰瘍ができる性病についてはこちらにまとめてあります。)
この記事では発疹や潰瘍ではなく、かたまり状のしこりがペニスにできた場合にどのような性病が疑われるのかをまとめてみました。
しこりの原因には性病以外の重大な病気である可能性もありますので、それらの情報についても記載しました。
目次
ペニスにしこりのできる性病
セックスによって感染し、症状としてかたまり状のしこりができるのは限られた性病しかありません。
はっきり、しこりと言える病変を作るのは、梅毒、尖圭コンジローマ、伝染性軟属腫の3つです。
このうち、梅毒は時間とともに表面が潰瘍になり、硬性下疳という硬い特徴的な病変に変わりますので、厳密にはしこりと言うよりは潰瘍病変を作る性病に分類されます。
なので、しこりができる性病は、尖圭コンジローマと伝染性軟属腫を考えればいいでしょう。
尖圭コンジローマ
膣性交などの性的な接触があってから約3ヶ月の潜伏期間を経て、ペニスやその周囲に肌色~褐色のイボ状のしこりがたくさんでてきます。
大きさは1~4mmで、増殖して時間とともに数が増えていき、時にくっつき合って大きなかたまりに成長します。
二次感染を起こさなければ痒みや痛みなどの自覚症状はありません。
ヒトパピローマウイルス(HPV)の6型、11型の感染によって発症します。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/papilloma/”]伝染性軟属腫
子どもがなる「水イボ」のことですが、大人で性行為で感染するものはDNAの型が異なります。
2~数mmの表面に光沢をもつ半球状の特徴的な丘疹を生じます。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/poxvirus/”]ペニスにしこりができるが心配のないもの
ペニスにしこりができたとしても、尖圭コンジローマでも重大な病気でもないことがあります。
これらは自然に消えることは期待できなくても、治療をする必要はなく、放置していおいてもいいものです。
pearly penile papul(真珠様陰茎小丘疹)
亀頭の辺縁、陰茎冠状溝(カリと呼ばれる部分)に、1~2mmのなめらかなドーム状の丘疹(小さなしこり)が2~3列で円周方向に取り囲むように発生します。
良性のしこりで、思春期を過ぎる頃から8~38%の人が発症するといわれています。
生理的な変化であって、その後、年をとるとともに減少していくもので、治療の必要はありません。
フォアダイス状態
ペニスに分布する脂腺(油分を分泌する腺)が増殖した状態で、ペニスの軸の部分に1mmほどの脂肪の透けた表面のなめらかな丘疹が多発します。
やはり、思春期の頃から認められるようになります。
治療の必要はありませんが、レーザーなどで切除することは可能です。
脂漏性角化症
別名、老人性疣贅と呼ばれるように年をとるとともに発生しやすい良性の腫瘍です。
頻度は少ないですが10代でも発症することはあります。
肌色~褐色のイボ状のしこりで、単発あるいは多発します。
顔面に発生することが多いです。
治療は液体窒素凍結療法により除去します。
陰嚢被角血管腫
これも加齢による変化と考えられていて、30代以上の男性の十数%に発生しているといわれます。
中年を過ぎた男性の陰嚢に2mmくらいの赤い丘疹として現れます。
陰嚢全体に多発し、古くなると表面がカサカサに角質化してきます。
通常は治療をしませんが、出血しやすいため、繰り返す場合は切除することもあります。
性病ではないが治療が必要なペニスのしこり
ペニスにできたしこりで、性病によるものではないケースでは、治療が必要なものや、重大な病気である場合があります。
ボーエン様丘疹症
主にペニス部分(他に性器周囲や肛門周囲)にできる黒色のしこりです。
丘疹状や斑状の他、イボ状や乳頭状などさまざまな形をとります。
原因として指摘されているのがヒトパピローマウイルス(HPV)で、子宮頸がんを発生させる高リスクタイプの16型が病変から分離されることが多いです。
良性の部類で自然に消えることもありますが、液体窒素凍結療法などで積極的に治療が行われます。
20~40代の若い世代に発生しやすく、患者の70~80%を占めます。
患者のパートナーが以前、子宮頸がんになったことがあったり、患者のパートナーの子宮頸部にも病変が存在した例が報告されていて、性感染症としての側面も指摘されています。
その理由からもしっかりと治療することが必要です。
基底細胞癌
皮膚にできる悪性腫瘍の中でもっとも多く、44%を占めるといわれています。
シニア世代に発生しやすく、患者の66%が60歳以上です。
紫外線により発がんリスクが高まることが知られていて、日光にさらされる部分にできやすいのですが、日光の当たらないペニスや陰嚢に発生することもあります。
1個の病変で黒い扁平に隆起した外見のしこりができます。
転移はあまりありませんが、局所に再発しないようにしっかりと切除する必要があります。
有棘細胞癌
皮膚にできる悪性腫瘍で基底細胞癌についで2番めに多い腫瘍です。
老齢の人に多く、単発で発生し、黒褐色をしたしこりを作ります。
やはり、日光にさらされることが発症のリスクを高めます。
他に、後述するボーエン病や紅色肥厚症から進行して発生することもあります。
ボーエン病
表皮にできる癌の1種で、褐色~紅褐色の局面状(盛り上がって台地状)のしこりを作ります。
加齢にしたがって発生しやすく、患者の8割は60歳以上です。
日光に当たらない部分のほうがなりやすく、下半身に出やすい傾向にあります。
外陰部に発生するものはHPV(16型)と関与していることがあります。
紅色肥厚症
亀頭から陰茎にかけて紅いビロード状の局面病変を作ります。
ボーエン病の1種と考えられています。
乳房外パジェット病
紅色~紅褐色の局面状のしこりが陰茎や陰のうに好発します。
やはり高齢の方に発生しやすいしこりです。
アポクリン汗腺系の悪性腫瘍とされていますが、比較的進行は緩やかで比較的予後のいい腫瘍とされています。
まとめ
性器にただれや潰瘍があるような場合は、こちらの記事に書いたように性病のケースが多いのですが、しこり状になっている例では腫瘍の可能性が高くなります。
万が一、ペニスに何かできているのを見つけたら、できるだけ早く受診することをおすすめします。
あるいは性病検査をして、性病が否定されたら早急に医師の診察を受けるようにしてください。
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