性病が治っていつからセックスできるか悩むカップル

パートナーとの素敵なひとときも、ひとたび性病になってしまえば台無しになってしまいます。

相手に感染させないように当分セックスはお預け。

しかし幸い、性病になってしまった場合でも多くの性病は治療が可能ですし、治らない場合も最低限コントロールすることができます。

では、治療をして治ったら、あるいは病気をしっかりコントロールできている状態になったなら、すぐにセックスをすることができるのでしょうか?

もしすぐがダメなら、いつだったらセックスOKになるのでしょうか?

気になりますよね。

この記事では、

性病を治療後どの時点からまたセックスしても大丈夫なのか?

感染させてしまうリスクはないのか?

について詳しく解説しています。

大切なパートナーに性病をうつしてしまわないための参考になればうれしいです。

性病の種類で異なるセックスOKのタイミング

HIV

HIV(エイズウイルス)

残念ながら現在の医療では、HIV(エイズウイルス)に感染したら完治することはなく、生涯にわたって感染が続くことになります。

パートナーへ感染させる危険はゼロになることはありません。

HIVに感染してしまったらいつならOKという明確なことは言えないのです。

セーファーセックスの考え方

セーファーセックスのイメージ

ではHIVに感染してしまうと、もう一生セックスができないのでしょうか?

いいえ、けっしてそんなことはありません。

セーファーセックスという考え方があり、パートナーの深い理解の元、できるだけ感染率を低くする手段を講じることで、かなり安全にセックスをすることができるようになります。

それでもアナルセックスは危険

HIV感染者から健常者に感染する確率は行為の内容によって変わります。

行為による危険度を表にしてみました。

性行為 感染する確率
アナルセックス(挿入側) 約0.1%
アナルセックス(挿入される側) 約1.4%
膣性交(挿入側) 約0.05%
膣性交(挿入される側) 約0.1%
オーラルセックス 確率はかなり低い

引用:Patel et al. AIDS 2014, 28:1509-1519

これはコンドームを使用せずに性行為をした時の確率ですが、アナルセックスが非常にリスクが高いことがわかります。

さらに挿入する側より、挿入される側のリスクが高いこともうかがえます。
(膣性交の14倍のリスク)

これらの確率は他の条件(他の性病の有無、急性のHIV感染期かどうか、HIVウイルス量、コンドームを使用している、性器に潰瘍病変があるかどうか)によって大きく変わってきます。

条件による危険度の変化を、何倍危険になるかという数字で表してみました。

条件 変化する感染確率
ウイルス量が多い 約3倍危険度アップ
性器に潰瘍病変がある 約2.5倍危険度アップ
急性HIV感染期 約7倍危険度アップ
抗HIV薬を内服 約12分の1に危険度ダウン
コンドームの使用 約5分の1に危険度ダウン

引用:Patel et al. AIDS 2014, 28:1509-1519

このようにウイルスがたくさん排出される条件ほど感染する確率が高くなります。

一方、リスクを下げるための処置を行えばかなり確率を下げることができます。

感染者側がしっかりと抗HIV薬を飲んで、正しくコンドームを使用すれば、膣性交の場合は挿入される側でも感染確率を0.001~0.002%とかなり低くすることができるのです。

それでも感染確率はゼロではありませんから、パートナーに理解してもらう必要があるでしょう。

かなり安全にセックスをすることができることを分かっていただけると思います。

 

nicol説明

実際に、HIV陽性の方のアンケートで、月に1回以上セックスをしている方は半数近くいらっしゃいます。
セーファーセックスの考え方でこれからもセックスライフを送ることは十分可能なのです。

[blogcard url=”https://sticheckup.com/hivinfection/”] 参考エイズ予防情報ネット

梅毒

梅毒は治療法がまだなかった頃の恐い性病というイメージが強いですが、現在では容易に治療することができる性病です。

治療の判定は通常の性病検査で行われる病原体のトレポネーマに対する抗体検査(TPHA)では判定できません。

TPHAでは治癒後もずっと陽性反応が出続けるからです。

梅毒の治癒の判定には抗カルジオリピン抗体測定(STS)で行います。

抗カルジオリピン抗体の定量値が8倍以下になったら治癒したと判定できます。

 

nicol説明2

現実的にはセックスは、治療を終了して性器の硬性下疳や皮膚の発疹が完全に無くなってからOKになります。

[blogcard url=”https://sticheckup.com/syphilis/”] 参考厚生労働省

クラミジア

クラミジアにかかっていると判明した場合には、ピンポン感染を防ぐために、パートナーとの同時治療が基本になりますから、パートナーに感染させる心配は必要ありません。

不特定の相手に対しては、完全に治癒してからセックスOKになります。

治癒の判定は投薬完了後、1~2週間してから核酸増幅法(PCR法やSDA法)で性病検査を行い、病原体がいないことを確認します。

陰性になっていたらOKです。

血清抗体反応(保健所で主に行われている方法)では治癒の判定はできません。

 

nicol困り顔

現状では、治療薬を飲んだら勝手にセックスを始めちゃっている方がほとんどだと思います。
でも、本来は確認の性病検査をして陰性になったのを確認してからするべきです。

[blogcard url=”https://sticheckup.com/chlamydia/”]

↓衝撃の事実!

[blogcard url=”https://sticheckup.com/kokoseikuramijia/”] 参考国立感染症研究所

GME医学検査研究所のキットなら365日無休、最速1~2日で結果が出るので、急いでいる人におすすめです。

自宅で性病検査

淋病

クラミジア同様に感染が分かったら、パートナーも一緒に検査・治療することが推奨されています。

パートナーへの感染があり同時に治療を受けるのなら、感染させることを心配する必要はありません。

しかしパートナーが陰性、あるいは特定のパートナーがいなければ、他人に感染させないためにも治癒を確認してからセックスを始めるようにしなければいけません。

淋菌はセフトリアキソンとスペクチノマイシン(ともに注射剤)で治療した場合はほぼ100%治癒するので再検査は必要ないと言われています。(それでも治療後すぐのセックスは控えたほうがいいでしょう。)

しかし、治りにくいノドの感染や他の治療薬での治療では淋菌の陰性化の確認が必要です。

投薬中に症状が無くなっても、淋菌が排出されていることがあります。

なので症状の有無だけで判断できません。

治癒の判定は投薬完了後、1~2週間してから核酸増幅法(PCR法やSDA法)で性病検査を行い、病原体がいないことを確認します。

陰性になっていたらセックスOKです。

[blogcard url=”https://sticheckup.com/neisseria/”]

↓放って置くと怖い淋病の無症状例

[blogcard url=”https://sticheckup.com/joseinorinbyo/”] 参考山の手クリニック

膣トリコモナス症

膣トリコモナス症もピンポン感染が問題となりますので、感染が判明した時にはパートナーもそろって同時に治療を受けなければなりません。

特定のパートナーがいるのなら、同時治療が前提なのでパートナーへの感染は心配ありませんが、他に相手がいる場合は治癒を確認してからセックスOKになります。

GME医学検査研究所の性病検査ではトリコモナスをPCR法で検査するので、投薬完了後、1~2週間してから検査を行い、病原体がいないことを確認することができます。

陰性になっていたらOKです。

 

nicol説明2

セックスするのは、症状の消失だけでなく、培養法あるいはPCR法でトリコモナス原虫がいなくなったことを確認してからにしましょう。

[blogcard url=”https://sticheckup.com/trichomonas/”]

↓治療中はアルコール禁止なのを知っていますか?

[blogcard url=”https://sticheckup.com/trichomonaschiryo/”] 参考MSDマニュアル

膣カンジダ症

ほぼ女性に起こる性病です。

もともと普通に膣内などにいる常在菌なので、セックスOKの判定はかゆみ、おりものなどの症状が無くなった時点になります。

[blogcard url=”https://sticheckup.com/candida/”]

A型肝炎

A型肝炎の感染経路がアナル→口なので、主に男性同性愛者間の感染が問題になります。

以前は1週間もしないうちに速やかに便の中のウイルスは消失すると考えられていました。

しかし、PCR法が発達したことにより2~3ヶ月もの長期に渡ってウイルス血症が続き、便の中にもウイルスが排泄されていることがわかりました。

なので、検査を受けてウイルスの排出が止まったことを確認してからセックスを開始するようにしたほうがいいでしょう。

 

nicol困り顔

感染経路からコンドームは予防になりませんので、感染を防ぐためにはウイルスが検出されなくなるまで性交渉(アナルセックス)を控えるか、ワクチンを打った上で性交渉するしかありません。

[blogcard url=”https://sticheckup.com/hepatitisa/”]

B型肝炎

日本ではB型肝炎ウイルスの保菌者(キャリア)は約1%いて、そのうち性交渉による感染が5~30%であると言われます。

キャリアは治癒することはなく、パートナーに感染させる可能性がありますが、ワクチンを打って予防措置をすることでセックスが可能です。

コンドームの使用は有効ですが、HIVよりも数段感染力が強いので十分とはいえません。

 

nicol説明

特定のパートナーがキャリアと判明した場合、他方がワクチンを接種することで予防が可能で、セックスすることができます。
またすでに相手がHBs抗体を持っている場合(すでに感染が起こり治癒した)はワクチンを打たなくても感染しません。

[blogcard url=”https://sticheckup.com/hepatitisb/”]

C型肝炎

日本には200万人のC型肝炎キャリアがいると言われます。

性交渉による感染の確率は低いですが、一度感染すると60~70%の人がキャリア化すると言われています。

感染経路は性行為が主ではありませんが、キャリアの数が非常に多いですから、性病としてとらえることも必要です。

積極的にウイルス検査を受けて、感染の有無を確認しましょう。

C型肝炎にはワクチンがないので、キャリア化した人がいつからならセックスしても大丈夫ということは言えません。

 

nicol困り顔

残念ながらC型肝炎ウイルスに対するワクチンはありませんので、特定のパートナーが感染していた場合、より安全にセックスするためにはコンドームの使用で予防するしかありません。

[blogcard url=”https://sticheckup.com/hepatitisc/”]

性器ヘルペス

水ぶくれなどの臨床症状が無くなっても、感染性は生涯にわたって続きます

特定のパートナーが感染していても症状が出ていないのなら、特に処置はいらないでしょう。

コンドームは推奨はされますが、ヘルペスは性器以外に口や肛門、太ももなどにもできますので十分な予防効果は望めないのです。

 

nicol説明2

相手がヘルペスウイルスに対する抗体を持っていたら、感染はしても発症することは少ないと言われています。
特に病変、症状が出ていなければ、予防策はいらないかもしれません。

[blogcard url=”https://sticheckup.com/herpes/”]

尖圭コンジローマ

現在のところ、100%確実に治癒できる治療法はありません。

病変が無くなったら治癒と判定されますが、長期に渡りパートナーに感染させる可能性があります。

3ヶ月以内の再発率は25%と言われています。

コンドームは有効ですが性器以外の場所に病原体のHPV(ヒトパピローマウイルス)がいると効果がありません。

可能なら3ヶ月は性交渉は控えたほうが無難でしょう。

[blogcard url=”https://sticheckup.com/papilloma/”]

毛じらみ

痒みが完全になくなって、実際に目で見て毛じらみの虫体や卵が確認できなくなったらセックスOKです。

卵は孵化直前だと非常にわかりにくいので注意が必要です。

[blogcard url=”https://sticheckup.com/pthirus/”]

疥癬

疥癬は治療終了後も痒みは2~3週間から時に数ヶ月続きます。

その間も感染のリスクはありますので、完全に痒みが無くなってからセックスするようにしましょう。



nicol困り顔

病変は性器だけではないので、コンドームは有効ではありません。

[blogcard url=”https://sticheckup.com/sarcoptes/”]

赤痢アメーバ

アナル→口の感染経路なので主に男性同性愛者間で起こる性病です。

特定のパートナーがいるのならできるだけ同時治療することが望ましいとされています。

自分が排出した病原体から再感染することも多く、治癒の判定には2~3ヶ月に渡り再発がなく、便の中にアメーバ原虫が検出されなくなることが条件です。

コンドームは有効ではないのでその間、性交渉を控える必要があります。

[blogcard url=”https://sticheckup.com/entamoeba/”]

まとめ


もし性病になってしまったら、大切なパートナーに感染させないように治癒を確認してから、あるいは最大限の予防策を行ってからセックスするように心がけましょう。

また無症状で知らないうちにパートナーに感染させてしまうことのないように、定期的に性病検査を受けることをおすすめします。

 

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