男性同性愛者にとっては、当たり前の性行為として行われてきたアナルセックスですが、最近は男女のカップルでもセックスプレイの1つとして実践することが増えてきています。
信頼できる調査結果は見つけることができませんでしたが、いくつかのアンケート結果から女性でアナルセックスの経験がある人は20~30%位いるようです。
実感としてここまで多くはないと思いますが、けっして珍しいレベルではないということですね。
これから年を追うごとに普及して、アナルセックス経験者が増えていくことは間違いないでしょう。
さらに、同性愛が社会的市民権を得るにしたがって、男性同性愛者の数も増える傾向にあります。
これからますますアナルセックス経験者が増加していけば、アナルセックス経由の性病感染も増えていくことが予測されます。
自分やパートナーの健康を守るためにも、膣性交とはまた違った特性や症状を出すアナルセックスによる性病感染について、私たちはもっと知識を身につけておく必要がありますね。
この記事では、アナルセックスで感染して起こる直腸炎について解説しています。
目次
直腸炎は性病以外の原因もいろいろある
直腸炎はアナルセックスによる性病感染で典型的に見られる疾患です。
症状としては排便時の疼痛、しぶり(排便後も便意がずっと残る)や便に粘液や血液が付着したりします。
しかし、直腸炎は性病に特有というわけではなく、一般的な感染症や特発性炎症性腸疾患でも同じような症状があらわれます。
性病以外の主な感染症として、食中毒でよく発生するサルモネラやカンピロバクターによる感染症や東南アジアへの渡航によって起こる赤痢などがあります。
特発性炎症性腸疾患には30歳以上の成人に起こりやすい潰瘍性大腸炎や若い男性に多いクローン病があります。
鑑別の決め手はアナルセックスの経験の有無
直腸炎の診断には問診、視診、直腸診、便の検査や血液検査(抗体検査)などを行って総合的に判断されます。
性病による直腸炎は検査をすれば結果から容易に診断がつくことが多いですが、検査の前に行われる問診が最も重要になります。
中でもアナルセックスを経験したかどうかはとても大事です。
アナルセックスの経験がまったくなければ、性病による直腸炎の可能性はほぼなくなります。
無駄に検査をしなくて済むのです。
逆に、アナルセックスの経験があるのにお医者さんに正直に話さなかったらどうでしょう?
お医者さんは性病の可能性を考えずに、他の原因を考えて検査・治療を進めていきます。
そうすると性病がそのまま見逃されたり、発見が遅れてしまったりすることになります。
直腸炎を起こす性病一覧
では、直腸炎を発症する性病にはどんなものがあるのでしょう?
代表的なものとして赤痢アメーバ症が知られていますが、他にも直腸炎を起こす性病は色々とあります。
どのような性病があるのかを一覧にしてまとめてみました。
- 赤痢アメーバ症
- HIV感染症
- 淋菌
- クラミジア
- 単純ヘルペス
- 梅毒
- サイトメガロウイルス(HIV関連疾患)
まず疑われるのは赤痢アメーバ症
男性同性愛者で粘液便や血便があり、アジアへの渡航歴がないケースでは赤痢アメーバ症がもっとも疑われます。
患者数は年々増加傾向にあり、2000年には400例に満たなかったものが、現在では1,000例前後にまで増えています。
アナルセックスの広がりとともに女性でも患者数が増加していますが、男性患者が圧倒的に多く、約9割を占めます。
もともとは病状がゆっくりと進む病気で、血便やしぶりがあっても割りと普通に生活ができたりします。
しかし、HIV感染を併発していることも少なくなく、その場合には肛門周囲の壊死性筋膜炎に急速に進んでしまうことがあります。
なので、赤痢アメーバ症が見つかった場合はHIV検査をセットで行うことが推奨されています。
病原性よりも免疫低下が問題になるHIV感染
HIVはアナルセックスで感染すると、直腸の侵入部位に潰瘍を起こし、急性直腸炎を起こすことがあります。
しかし、適切な治療によって、これは大きな問題にはならないでしょう。
むしろHIVの一番の問題はその後起こってくる免疫不全にあります。
上に書いた赤痢アメーバ症の併発で壊死性筋膜炎を発生させて症状を重篤化させる以外にも、エイズ発症時にはサイトメガロウイルスによる直腸炎(日和見感染)を発生させたりもします。
さらに免疫不全がゆえに、これらの疾患の治療も当然難しくなります。
つまりHIV感染はその病原性よりも、体の防御力を低下させて他の疾患をアシストすることに最大の問題があるといえるでしょう。
だからHIV感染は免疫不全を起こす前に感染を発見して、早期に治療を開始することがなによりも大切なのです。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/hivinfection/”]痛みの強い淋菌・単純ヘルペスによる直腸炎
クラミジアに比べ激しい尿道炎を起こしたり、眼に感染すると失明までしてしまうことのある淋菌。
性器に症状が出た場合は激しい痛みを生じ、歩けなくなったり排尿困難になったりする単純ヘルペス。
激しい潰瘍や炎症を起こすこれらの病原体は、直腸に感染しても強い症状を出します。
痛みのためにアナルセックスができなくなるのは当然として、排便の時に毎回激しい痛みに悩まされることになります。
赤痢アメーバ症ではあまり痛みがないので、症状からある程度、原因の予測がつきます。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/neisseria/”] [blogcard url=”https://sticheckup.com/herpes/”]現在、患者が絶賛増加中の梅毒
近年、すごい勢いで患者数を増やしている梅毒。
男性患者数の増加につられるように女性患者の増加も目立ってきています。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/baidoku2017-2/”]とはいえ、感染ルートととしてもっとも重要なのは男性同性愛者のアナルセックスによる感染です。
梅毒による直腸炎は、菌の侵入部位にできる第1期の硬性下疳だけでなく、第2期のバラ疹が直腸にできて起こることもあります。
一般に梅毒の皮疹には痛みを伴いませんが、直腸内に発生した場合には2次感染により痛みが出ることがあります。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/syphilis/”]正しく早期に発見するためには正直な説明を
重複しますが、性病による直腸炎を的確に早期に診断するためには、本人からのアナルセックスを行なったことの申告がとても大事です。
相手がお医者さんとはいえ、自分の性癖を説明することはとてもハードルが高いことですが、診断が遅れると命に関わってくることもあります。
心当たりの行為があったのなら、勇気を出してできるだけ正直に告げるようにしましょう。
どうしても話す勇気が出なければ、赤痢アメーバ症に限っては、最近東南アジアに行ったと言えば、赤痢アメーバの検査をしてもらえるでしょう。
梅毒とHIVについては性病検査キット使って自分で検査を行うのも一つの方法です。
またクラミジアと淋菌についてはもし分泌物があれば性病検査キットを使えます。しかし、そうでなければやはり病院で正直に言うしかないでしょう。
赤痢アメーバは性病検査キットでは検査できません。単純ヘルペスも検査できるのはkensa.bizに限られます。
GME医学検査研究所のキットなら365日無休、最速1~2日で結果が出るので、急いでいる人におすすめです。
知りたい性病をチェック!
↓クリック!!↓