性行為の1つのスタイルとしてすっかり定着した感のあるオーラルセックス(フェラチオ、フェラ)。
当たり前になったと言っても、一般の方に普及しだしたのはまだこの20~30年のことでしょう。
フェラという行為は急速に広まりましたが、この行為が引き起こす性病についての理解はあまり進んでません。
これは多くの方の認識がフェラをセックスの前戯の1つくらいにとらえていて、セックスの1種であるという感覚が薄いことにあると思われます。
ペニスを口に含むのですから、冷静に考えれば性病に感染しても当然といえば当然です。
ところが、セックスという認識が欠けているからなのか、それとも性器の病気が口にうつるとは思いもよらないのか、実際に感染してしまった時に愕然とする方が少なくありません。
この記事ではフェラチオで感染する性病について、その特徴的な症状や注意点になどについてまとめてみました。
思いもかけず性病に感染していたなんてことがないように気をつけてください。
目次
フェラチオでうつる性病をピックアップ
性病の病原体が口腔咽頭(口・のど)に感染すると、性器へ感染した時とまた違った症状や振る舞いが見られることがあります。
ここでは口腔咽頭感染の症状に絞って記載していますので、性器感染での症状について知りたい方は、各項目に貼ったリンクから各性病の詳細ページを参照してください。
淋菌とクラミジアの口・喉(のど)への感染
淋菌による口腔咽頭の症状
淋菌は咽頭炎、扁桃炎、口内炎を起こします。
これらの症状は医師が性病を疑わないと、通常の細菌感染として判断されてしまうことが多くあります。
通常の細菌培養では淋菌を判断することができないため、淋菌感染と診断されないまま見過ごされている例が多いと考えられます。
実際、どのようなことが起こるかの例を挙げると、
耳鼻科へ行っても本人が性病とは思っていないので、お医者さんに性病の可能性を告げない
お医者さんは風邪のようなものと考えて、検査をするとしても通常の細菌培養しかしない
淋菌感染症は見過ごされてしまう。
となってしまうのです。潜在的な淋菌感染者は報告されているよりもはるかに多いのかもしれません。
最初から患者本人が性病の疑いをもっていてお医者さんに告げていれば、精度の高い核酸増幅法を行えるので診断は難しくありません。
フェラによる性病感染の知識が広まれば、このような見落としはきっと減るに違いありません。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/neisseria/”]クラミジアによる口腔咽頭の症状
クラミジアは咽頭炎、上咽頭炎、扁桃炎を引き起こします。
淋菌と同じく通常の細菌培養では区別できないので、診断されないまま一般の咽頭炎として扱われている例も多いと考えられます。
クラミジア感染者の分泌物(精液、膣分泌物)が手についたまま目をこすったりすると、結膜にも感染して結膜炎を起こします。
(昔、流行ったトラコーマという結膜炎は性器クラミジアと同じ病原菌なのです)
結膜炎になると鼻涙管を通って喉の方にも感染が広がり、上咽頭炎にまでなることがよくあります。
このことは膣性交もオーラルセックスもしていない人でも、クラミジアによる咽頭炎が起こりえることを示しています。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/chlamydia/”]症状の出ない淋菌・クラミジアの咽頭感染
淋菌とクラミジアは咽頭感染をしていても無症状のことが多いとされています。
性器と喉と同時に感染していてどちらも無症状のこともありますし、性器の症状がはっきりと出ていても喉の症状は出ていないこともあります。
また性器への感染なしに、咽頭感染のみが見られることもあります。
淋菌・クラミジアの咽頭感染の検査
咽頭部を綿棒で擦過したサンプルやうがい液のサンプルから核酸増幅法(PCR法、SDA法)を使って、少ない菌数でも検出することができます。
擦過によるサンプルよりもうがい液のサンプルのほうが検出率が高いという報告があります。
梅毒の口・喉(のど)への感染
性器や皮膚に症状がないまま、口の中や咽頭に症状が出る梅毒患者は少なく無いと言われています。
梅毒の口への感染を知らないと、性器や皮膚への症状がないために梅毒にかかっていることに気づくのが遅れて、病期が進んでしまうことになりかねません。
咽頭感染した淋菌・クラミジアはキスで感染することはまずありませんが、口腔に症状が出た梅毒ではキスで感染する可能性があります。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/kissdeuturu/”]梅毒の口腔咽頭の症状
第1期
感染後約3週間で発現する無痛性の硬結、硬性下疳は口唇、舌、扁桃に好発します。
口にできた硬性下疳は2~3週間もすれば自然に治ってしまいます。
第2期
感染後3ヶ月ほど経つと再び病変が現れてきます。
梅毒性口角炎…口角周囲が白っぽくただれる。カンジダと鑑別する必要
粘膜斑…扁平で青みがかった白~灰色の斑が扁桃や舌の側面や裏、歯ぐきなどにできる
第2期では皮膚にも病変が出てくることが多い
第3期~第4期
第3期になると口蓋や舌にゴム腫が生じます。
第4期は口腔咽頭特有の病変はありません。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/syphilis/”]ヘルペスの口・喉(のど)への感染
性器ヘルペスと同様に1型(HSV-1)、2型(HSV-2)のどちらでも起こります。
フェラでの感染だけでなく、キスでの感染が多く重要な感染経路になっています。
ヘルペスの口腔咽頭での初発の症状
ヘルペスの初感染では症状が出ないことが多いですが、症状が出る場合には重い症状が出ます。
重篤な歯肉口内炎や扁桃炎が起こり、高熱が出て、のどの痛みのため食べ物を飲み込みにくくなります。
時に、性器ヘルペスや皮膚ヘルペスも同時に見られます。
ヘルペスの口腔咽頭での再発
再発では口唇疱疹や粘膜にアフタ(口内炎)ができますが、症状は軽く全身症状も出ません。
しかし、フェラやキスによってパートナーにヘルペスをうつしてしまう可能性があります。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/herpes/”]HIV(エイズウイルス)の口・喉(のど)への感染
フェラチオによる感染はあり得ますが、確率はかなり低いと言われています。
キスすることで感染する心配はありません。(→HIV感染率について)
HIVの場合、口は感染ルートよりもエイズ発症部位として注意する場所になります。
エイズの口腔咽頭の症状
カンジダ症
エイズの初発症状として多く、エイズ患者の50%に認められます。
白苔といって白い苔状のものが粘膜を覆い尽くします。
好発部位は舌、口蓋粘膜、頬部粘膜。最初は自覚症状はありませんが、進行すると味覚障害や痛みが出てきます。
高齢者では自然発生もありますが、抵抗力のある若い世代で自然発生することはあまりありません。
なので、若い人の口腔内にカンジダが認められたらHIV検査を受ける必要があります。
口腔毛様白板症
舌の前縁に縦に走る白斑ができます。エイズに特徴的で自覚症状はない、あるいは不快感があります。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/hivinfection/”]尖圭コンジローマの口・喉(のど)への感染
男性の同性愛者や風俗業に従事する女性ではフェラチオによって感染し、口腔内に病変(イボ)を生じていることがあります。
これらの病変を持つ感染者が別の人をフェラチオすることで膣性交しなくとも感染が成立してしまいます。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/papilloma/”]B型肝炎ウイルスの口・喉(のど)への感染
B型肝炎ウイルスHBVは口腔咽頭部に症状を現しませんが、体液に含まれていて感染力が非常に強いため、フェラチオはもちろんキスでも容易に感染してしまいます。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/hepatitisb/”] 参考:MSDマニュアル口腔咽頭(口・のど)感染のもたらす問題
梅毒やHIVでは口に症状が出ることで、それまで気がついていなかった感染に気づくということが少なくありません。
手遅れにならないうちに気づけるという意味で良い方へ働きます。
しかし、問題なのは感染していても病変を現さない無症状例。
- 淋菌やクラミジアの咽頭感染は無症状例が多く、本人に性病に感染している自覚がないためにこれまで通りパートナーや他者との性交渉を続け、病気を蔓延させる原因となります。
- B型肝炎のキャリアにいたってはまったく症状がないので、本人が感染の事実を知らなければ、フェラチオや膣性交に限らず、日常生活の中でほかの人へ感染を広げてしまいます。
- 尖圭コンジローマの場合は口に病変が生じていて本人が気づいていても、尖圭コンジローマであるという認識がなければ、やはり感染を広げてしまいます。
男性の場合、フェラチオをサービスとする風俗業女性からの感染が非常に多く、問題になっています。
フェラチオで性病をまん延させないためには?
これまで述べてきたことから、いかにフェラチオで性病が広がってしまうかが分かっていただけたと思います。
いまだに性病が日本で収束していかないのは、フェラチオの普及とこの行為に対する予防意識の薄さが大きな要因の1つであることは間違いありません。
ではフェラチオ(オーラルセックス)で性病が広がるのを防ぐためにはどうすればいいでしょう?
予防のために、いまさら性行為の1つとして定着してしまったフェラチオをしないようにするというのは現実的ではありません。
そこで口腔・咽頭への感染あるいは口腔・咽頭からの感染を防ぐために、実行可能な予防方法として次の2つの方法をおすすめします。
コンドームの使用
性病予防で効果的なのはフェラチオにおいても膣性交と同様にコンドームを使用することです。
その理由はあらためて説明する必要はないと思いますが、口へも性病が感染することが広く認識されてフェラチオにおいてもコンドームを使うのが当たり前になれば、感染者の増加を食い止めることができるでしょう。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/condom/”]定期的な性病検査
知らない間に性病に感染している可能性は誰にでもあります。
このことが広く認知されて、多くの人が定期的に性病検査を行うようになれば、知らずに感染を拡大させてしまうようなことはほとんど無くなるでしょう。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/mushojou/”]
性病の正しい情報をみなさんが身に付ければ、不用意に性病にかかってしまうというリスクはかなり低くできると思います。
当サイトの存在が少しでもそのお手伝いになれば幸いです。
症状はないけれどノドの感染が心配な方には、人に知られずに気軽に行える性病検査キットがおすすめです。
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検査の精度も心配ありません。当サイトで紹介している性病検査キットによる検査は病院で受ける検査と同じものです。(→性病検査キットとは?)
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