絶望する男性

これまで男性はヒトパピローマウイルス(HPV)の感染に対して、尖圭コンジローマのリスクだけを気にしていれば十分でした。

女性のように子宮頸ガンのような癌化の心配はあまりなかったのです。

ところが、最近の研究でHPVが喉(のど)に感染することで、ガンになりやすくなることがわかってきました。

しかも、女性の子宮頸ガンと違い尖圭コンジローマの病原体である低リスク型のHPVでもリスクがあるようなのです。

さらに特徴的なのが、これまで喉へ感染する性病といえば圧倒的に女性の感染率が高かったのに対し、HPVの喉への感染は男性の方が高いというのです。

これからは男性も命に関わってくる問題として、HPV感染を考えないといけないようです。

この記事では、新しくわかったHPVと中咽頭ガンとの関係をまとめました。

HPV(ヒトパピローマウイルス)感染でノド(咽頭)のガンになりやすい!

咽頭部分の模式図

引用元がん情報サービス

中咽頭ガンとは、大きく口を開けた時に見える喉(のど)の部分+舌根部のあたりを中咽頭といい、この部分にできるガンのことをいいます。

中咽頭ガンができると、食べたり飲んだりする時に違和感があったりしみたりする症状に始まり、進行すると痛みや出血、呼吸困難などが出てきます。

最初はあまりはっきりとした症状はなく、首などのリンパ節が腫れるだけの場合もあります。

もともと中咽頭ガンは男性に多く、特に長年タバコを吸っていた人や、アルコールをよく飲む人でリスクが高くなるガンだとされてきました。

ところが最新の研究で、HPV(ヒトパピローマウイルス)の咽頭への感染が中咽頭ガンの発生に関与していることがわかってきたのです。

欧米では中咽頭ガンの70%、日本でも30~50%でHPVの感染が認められています。

中咽頭ガンのHPV陽性率

引用元中咽頭癌治療の現状とこれから(口 咽 科 2017 ; 30 (2):159 ~ 164)

年々、中咽頭ガンは増加していて、その数は現在では子宮頸ガンを超えているのです。

現在の知見では、どうやら子宮頸ガンと同じようにHPVが中咽頭ガンを引き起こしていると考えられています。

咽頭へのHPV感染は男性の方が多い

カップル間のピンポン感染

性病の咽頭への感染と言えば、多いのはクラミジアや淋菌、時に梅毒や尖圭コンジローマなどで起こることがあります。

どの性病でも主に女性の咽頭への感染が問題になっています。

ところが、中咽頭ガンを起こすHPVの咽頭への感染は圧倒的に男性の方が多いのです。

HPVが咽頭に感染するリスクはオーラルセックスであるとされていますが、なぜかオーラルセックス経験者の絶対数が多いはずの女性よりも男性の感染率が高くなっています。

アメリカのデータですが、健康な男女を調べたところ男性の11.5%、女性の3.2%に口腔へのHPVの感染が認められたのです。

アメリカの人口から計算すると、アメリカ男性の1,100万人、女性の320万人が口腔内にHPV感染していることになります。

女性も多いですが、男性の感染者がすごい多いですね。

男性同性愛者の比率から考えると、異性愛者の男性にも普通に感染が起こっているようで、オーラルセックスの機会の多い同性愛者にリスクが高いというわけではなさそうです。

HPVといえば尖圭コンジローマの病原体

HPVウイルス
引用「性感染症STD」南山堂 田中 正利 著

HPVは尖圭コンジローマと子宮頸ガンの病原体と知られています。

それぞれ原因となるHPVは遺伝子型が違い、尖圭コンジローマの原因となる低リスク型と子宮頸ガンの原因となる高リスク型に分かれます。

日本ではHPVのことを乳頭腫ウイルスとも呼びます。

尖圭コンジローマは性器にイボのようなできものを作る性病で、女性なら外陰部・膣・子宮頸部などに、男性ならペニス・陰のう・肛門などに病変を作ります。

しかし、尖圭コンジローマの原因となる低リスク型HPVは、子宮頸ガンを起こす高リスク型HPVのように腫瘍の原因になることはないと考えられていました。

ところが最近の研究で、低リスク型HPVでも喉に感染している場合は中咽頭ガンになってしまうリスクが高いということがわかってきたわけです。

単なる性病として考えられていた尖圭コンジローマは、これからは将来的にガンになってしまうことも心配しないといけなくなりました。

 

HPVは低リスク型・高リスク型のどちらも危ない!?

尖圭コンジローマと子宮頸ガンではHPVの遺伝子型が異なり、前者の原因になるのを低リスク型、後者の原因になるのを高リスク型と呼んでいます。

一般に、高リスク型では尖圭コンジローマは起こらないし、低リスク型では子宮頸ガンの原因にはならないとされています。

 

nicol困り顔

低リスク型という名前のようにリスクがないわけではないので、まれに腫瘍を発生させることはあると考えられています。
しかし、高リスク型との混合感染も多いので、低リスク型のまれな発生だったのか混合感染していた高リスク型が原因だったのか区別は難しい面があります。

中咽頭ガンの原因と考えられているHPVは、現時点では低リスク型と高リスク型の発生の有無や発生率の違いまでは調べられていないようです。

つまり今のところ、尖圭コンジローマの病原体である低リスク型のHPVでも危ないと考えておくべきでしょう。

アメリカでは男性もワクチン接種が推奨されている

ワクチン

アメリカでは女性の子宮頸ガン予防のワクチンだけでなく、男性でもHPVによるペニスの腫瘍や尖圭コンジローマの予防、中咽頭ガンの予防の目的でワクチン接種が推奨されています。

男女ともに15歳(9~14歳)までに1回目のワクチンを接種して、半年から1年経ってから2回目のワクチンを接種する2回接種法が勧められています。

 

nicol説明

これまでは3回接種法でしたが、2016年からは2回接種法推奨に変わりました。
15歳を超えた場合は今まで通り3回接種が勧められます。

日本では、女性の子宮頸ガン予防に接種したワクチンで副反応の問題が起こってから、国はワクチン接種の推奨を取り下げてしまいました。

なので、中咽頭ガンの予防としてワクチン接種が推奨されることは当分ないでしょう。

しかし、中咽頭ガンや子宮頸ガンのリスクや尖圭コンジローマの予防もできることを考えれば、できるだけ早く副作用の問題を解決して接種できるようになるといいですね。

 

nicol説明

今でも個人が望めば、病院でHPV予防のワクチンを接種することは可能です。
尖圭コンジローマの原因であるHPV6・11型と子宮頸がんの原因であるHPV16・18型の4つのウイルス型を同時に予防できるガーダシルというワクチンを接種できます。

日本ではコンドームで予防するしかない

コンドーム

性病の予防には性行為を控えることが最大の予防になりますが、現実的な方法とは言えません。

HPVの予防法として日本ではワクチンは一般的ではないので、主にコンドームに頼るしかありません。

性器に尖圭コンジローマの症状がある場合、コンドームでカバーできない部分に病変があると十分な予防効果は期待できません。

しかし、オーラルセックスの場合には、コンドームで咽頭への感染予防効果は十分に期待できます。

フェラチオでコンドームを使う人は少ないですが、ガンの予防と考えて積極的に使うようにしましょう。

まとめ

男性にとっては、HPV感染は尖圭コンジローマのリスクという面しかありませんでした。

しかし、中咽頭ガンへの関与が明らかになってきたことで、女性の子宮頸ガンと同様にガンになるリスクを考えないといけません。

しかも、低リスク型のHPVでも危ないようなので、女性以上に気をつける必要があります。

尖圭コンジローマの重要度がランクアップしたと考えて、これまで以上に予防を心がけましょう。

kensa.bizのキットなら低リスク型HPVをHC(ハイブリッド・キャプチャー)法で調べることができます。子宮頸ガンの高リスク型HPV検査と組み合わせれば中咽頭ガンのリスクをある程度チェックできます。

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