梅毒といえば性病の代名詞的存在なので、その名前を知らない人はいないでしょう。
有名なだけに、梅毒の第2期の症状であるバラ疹や第3期のゴム腫のことも多くの人が知っています。
でも一方で、梅毒がバラ疹やゴム腫以外にも多彩な症状を表すことはあまり知られていません。
典型的な症状だけが梅毒だと思いこんでいると、梅毒にかかっていることを見逃してしまいます。
そこでこの記事では、梅毒の症状としては馴染みのない口腔・咽頭梅毒と無症候梅毒についてお話します。
梅毒について詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/syphilis/”]目次
口の中にできる梅毒病変は誤診されやすい
最近、急激に梅毒患者が増えてきて問題になっていますが、専門医以外は知識としては知っていても実際の梅毒患者を見たことのないお医者さんがほとんどです。
口の中やノドのできものは梅毒の病変としてはあまり知られていないので、お医者さんでも見逃してしまうことがあります。
フェラで感染するのはクラミジア・淋病だけではない
フェラで感染する性病というと、有名なのがクラミジアと淋病ですね。
セックス(膣性交)をしていなくても、フェラだけで感染していることがあるので注意が必要です。
とくに風俗に行った男性がもらってしまうことも多く、クラミジアと淋病が咽頭感染することは、遊んでいる男性の間ではよく知られていることです。
でも、クラミジアと淋病だけがフェラで感染する性病ではありません。
性器ヘルペスや尖圭コンジローマ、そして梅毒もフェラで感染する性病なのです。
梅毒でも口やノドに症状が出ることもあるということを知っておかないと、いざ症状がでた時に見落としてしまうかもしれません。
性病とわかるのが遅れてしまうと、治療も遅れることに。
そして治療が遅れれば、それだけ症状が進んでしまうことになります。
特に、梅毒の場合は無症候の時期があるので、病変が出ている時期を見逃すと、発見や治療が大幅に遅れることになってしまいます。
さらに、本人が知らないままパートナーや他の人にも感染を拡げてしまうことも大きな問題です。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/fellatio/”]口やノドだけの梅毒もある
上に書いたように、梅毒で口の中やノドに病変が出ることは以前から知られていたことなのですが、最近になって口やノドの病変だけができる梅毒も増えていることが報告されています。
ある報告では、口やノドにだけ病変の出たとされる梅毒患者さんでも、一部には(28人中6人)皮膚病変も出ていたそうです。
しかし、性器に出ている例はほとんどなく(報告では28人中1人)、口やノド以外の病変を性病と結び付けず、病院へも行かなかったようです。
一方、ノドが痛かったり口にできた病変は、人と話したり食事をする時にどうしても気になるので、何とかしたいと思って病院へ行きます。
性病なんて思わないので、当然、普通の耳鼻咽喉科へ行くことになります。
普通の耳鼻咽喉科ではたらい回しにされることも
そこで耳鼻咽喉科の先生が口の中だけに病変を作る梅毒の存在を知らなければ、その患者さんが梅毒であることを見落としてしまうでしょう。
たとえ皮膚にも梅毒病変が出ていても、普通の耳鼻咽喉科では口やノドの病変しか診ませんから、患者さんから言わないかぎり皮膚の病変に気づくこともなく、梅毒であることを見逃してしまいます。
梅毒が増えていることを知っていて、実際に梅毒の症状を診たことのある先生なら診断するのは難しくないのですが、口やノドの病気しか考えていない先生が診察しても見落としてしまうのです。
結果、通常の治療で治らないため、いくつもの病院をたらい回しになってしまいます。
患者もお医者さんも、性器に病変が出ない梅毒があることを知っていれば、診断が遅れることもないんですけどね。
上で紹介した28人の患者さんのうち、風俗へ行って感染してしまったのは28例中5例しかありませんでした。
意外にも、感染ルートとして最も多かったのは特定のパートナー(9例)という結果でした。
このことも患者さん自身が、性病の疑いを持ちにくかった理由なのかもしれません。
梅毒患者の3割を占める無症候梅毒
梅毒を見逃してしまうのは病期によって無症候の時期があることにも原因があります。
もともと第1期の初期硬結や硬性下疳は単発で痛みも痒みもなく、2~3週間で消えてしまうので見落としてしまうことが多い病変です。
第2期の病変は、あちこちに出ることが多いので気づかないことは少ないですが、多様な症状を出すので、自分の知っている梅毒の症状(バラ疹)じゃないと梅毒とは思わないことがあります。
口の中だけにしか病変がなければ、なおさら梅毒とは考えないでしょう。
こうして病変が出ている時期を逃してしまうと、あとは症状がない長い無症候期に入ってしまいます。(1期と2期の間で1~2ヶ月、2期と3期の間で3年)
無症候期には、本人もパートナーも梅毒を疑うことはなくなってしまいます。
口腔・咽頭梅毒も無症候梅毒も性病検査をしないとわからない
梅毒は5類感染症に指定されていて、梅毒と診断されたら必ず報告をしないといけない全数報告義務があります。
2016年は日本全国で4559人の患者数が報告されていて、そのうち無症候梅毒は1262人(28%)もいました。
この数はあくまでも、医療機関へ行って梅毒と診断された人の数です。
自分が梅毒と気づいていない人は、たくさんいるはずですから(特に無症候の人)、実際に梅毒に感染している人はこの数よりもずっと多いはずです。
ひょっとすると2~3倍、あるいはもっと多いかもしれません。
ここでちょっと考えてみてください。
本人も気づいていないはずの無症候梅毒の人は、どうして1262人も診断されたのでしょう。
おそらくは、自分の性交渉の状況から、梅毒にかかっていてもおかしくないと思って
- 自ら性病検査を受けた人
- 定期的に性病検査を受けている人
あるいは
- 妊娠時の検査で見つかった人
他の病気で診察してもらって本人も気づいていない変化に
- お医者さんが気づいて検査をした
- 問診から梅毒の可能性を考えて検査をした
などの例が考えられます。
どの場合も性病検査をしたからこそ、梅毒であることが判明したことは間違いありません。
一方で、自分が梅毒であることに気づかないまま病期が進んで、第3期の晩期顕症梅毒になってしまう人がいまだにいます。
2016年に報告のあった梅毒患者のうち晩期顕症梅毒の人は3%もいるのです。
このことからも症状がなくても性病検査を受けることがどれだけ大事かがわかりますね。
[追記]現在、梅毒はパンデミックの状態で非常に患者数が増えています。
もはや珍しい性病ではなくなっているので十分注意してください。
[blogcard url=”https://sticheckup.com/baidoku2018/”]まとめ
梅毒はよく知られた性病なだけに、代表的な症状を知っている人も多くいます。
でも、知っている症状だけだと思いこんでいると、思わぬ落とし穴に入ってしまいます。
梅毒でも口の中やノドにも症状が出るし、それだけしか症状が出ないケースもあるということと、無症状期があってとても長いことを覚えておいてください。
それに何よりも梅毒から身を守るためには、積極的に性病検査を受けることですからね。
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